
春とは、巡り逢えぬまま
| 言語 | 日本語 |
|---|---|
| 試し読み | 第1〜3話(当サイト) |
| 掲載日 | |
| 読み方 | 横書き・縦書きを切り替え可 |
『春とは、巡り逢えぬまま』は日本語の小説です。当サイトで第1〜3話を試し読みできます。
冒頭試し読み第1話より・約424字
電話が鳴ったのは、蘇原菫(そはらすみれ)が段野寒夜(だんのかんや)と、別荘のソファで激しく抱き合っている最中だった。
熱気が一気に高まり、彼女は思わず首を反らし、細い首筋をさらけ出しながら長く息を吐き出した。
「や、優しくして……」
その時、寒夜は片手で電話に応答した。向こうからは、焦った声が飛び込んできた。
「寒夜、璃宛が、あなたが身代わりを探してるって知って、泣きながら飛び降りようとしてるんだ!」
その言葉に、重なっていた男の動きがぴたりと止まる。欲望に染まったその瞳も、次第に冷静さを取り戻していく。ただ、何も言わず沈黙していた。
電話の向こうではまだ声が続く。
「彼女、昔あなたと別れたくなくて、死んだふりまでして海外に行ったじゃないか。今さら苦しかったとか言って、こんな騒ぎまで起こして……本当に何考えてるんだか……」
菫には、なぜ彼が黙り込んだのかわかっていた。
七年前、彼の幼なじみである草薙璃宛(くさなぎりおん)が亡くなったという知らせが届いた。
※作品紹介ではなく、第1話の書き出しをそのまま掲載しています。第1話の続きを読む
目次試し読み3話
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