
九十九通の離婚届
| 言語 | 日本語 |
|---|---|
| 試し読み | 第1〜3話(当サイト) |
| 掲載日 | |
| 読み方 | 横書き・縦書きを切り替え可 |
『九十九通の離婚届』は日本語の小説です。当サイトで第1〜3話を試し読みできます。
冒頭試し読み第1話より・約403字
小山宥一(こやま ゆういち)の初恋相手が離婚した。
その夜、彼は私の目の前に九十九枚目の離婚届を叩きつけてきた。
「恵が傷ついて立ち直れない。俺が支えてやらなきゃいけない」
七歳の息子まで、私に向かって言った。
「早く出てってよ。恵さんに住んでもらうんだ。お前みたいなお手伝いなんて、もういらない」
父子そろって、私が泣いて「追い出さないで」とすがると思っていたのだろう。
けれど、私はただうなずいた。
そして、そっと離婚届に署名した。
十年後。
息子は大学受験でトップ合格を果たし、テレビに映っていた。
記者が尋ねる。
「この数年間、勉強を続けられた原動力は何ですか?」
息子はしばし黙り、人前で目を赤くして言った。
「母さんに伝えたい。僕はもう大人になったから、帰ってきて。僕を見捨てないでって」
【小山紗英(こやま さえ)さん、この離婚届は有効です。でも双方の合意があったとしても、離婚手続きをするには、約一ヶ月ほどかかります】
※作品紹介ではなく、第1話の書き出しをそのまま掲載しています。第1話の続きを読む
目次試し読み3話
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