
彼が振り向いた時、私はもういなかった
| 言語 | 日本語 |
|---|---|
| 試し読み | 第1〜3話(当サイト) |
| 掲載日 | |
| 読み方 | 横書き・縦書きを切り替え可 |
『彼が振り向いた時、私はもういなかった』は日本語の小説です。当サイトで第1〜3話を試し読みできます。
冒頭試し読み第1話より・約504字
一方、私の夫の藤波時也(ふじなみ ときや)は彼の憧れの人と一緒に各地を旅行していた。
離婚を決意した彼が、ようやく私のことを思い出した。
母に電話をかけ、私がいつまで駄々をこねるつもりなのかと詰問してきた。
瀕死の私を見つめながら、母は心底冷え切った声で言った。
「この子はもう二度と、あなたに駄々をこねることはないわ。満足?」
私、白石雪乃(しらいし ゆきの)はICUに入院していた。
流産したその日、大量出血と臓器損傷で生命の危機に瀕していたのだ。
笑えることに、私を流産させた張本人は、他でもない私の夫、藤波時也(ふじなみ ときや)だった。
事故が起きたのは、彼の誕生日当日のことだった。
私は彼のためにテーブルいっぱいのご馳走を作り、自分の手でケーキを焼き、部屋を極上にロマンティックに飾り付けていた。
様々なブランド品に加えて、時也のために特別で貴重なプレゼントも用意していた――
妊娠したのだ。
五年間妊活してやっと授かった命。本当に大切な宝物だ。
この子の誕生は、私たち二人への贈り物であり、破綻していた二人の関係を修復できるきっかけになると信じていた。
だから彼の誕生日を選んで、この嬉しい知らせを伝えようと思ったのだ。
※作品紹介ではなく、第1話の書き出しをそのまま掲載しています。第1話の続きを読む
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