
愛情値は満点でも、心はもう戻らない
| 言語 | 日本語 |
|---|---|
| 試し読み | 第1〜3話(当サイト) |
| 掲載日 | |
| 読み方 | 横書き・縦書きを切り替え可 |
『愛情値は満点でも、心はもう戻らない』は日本語の小説です。当サイトで第1〜3話を試し読みできます。
冒頭試し読み第1話より・約519字
北条英理(ほうじょう えり)の胸の奥に、じわりと苦いものが広がる。それでも彼女は、迷うことなく静かに頷いた。
「……ええ、決めたわ」
「承知いたしました。離脱ゲートは15日後に開放されます」
システムの声がふっと途絶え、部屋は再び静寂に包まれた。
英理の視線は、目の前のテーブルにぽつんと置かれたケーキへと落ちる。好感度100パーセント。そんな言葉が、頭の中を何度も駆け巡って離れない。
本来であれば、この上ない幸福をかみしめるべき言葉のはずだ。しかし今の英理にとって、これほど皮肉に響く言葉はほかに存在しなかった。
10年前、英理はシステムに導かれてこの世界へと降り立った。与えられた任務は、幼い頃に両親を目の前で喪い、その深い絶望から心を閉ざしてしまった京平を攻略することだった。
彼女は3年もの間、片時も離れることなく京平のそばに寄り添い続けた。両親の死という暗い影から彼を引きずり出し、ついには好感度を100パーセントにまで引き上げることに成功したのだ。
だが、3年という長い歳月をともに過ごすうちに、英理自身の胸の内にも本物の想いが芽生えていた。気づけば京平に深く恋をしていて、だからこそ彼女は元の世界へ帰らず、この世界に留まる道を選んだのだ。
※作品紹介ではなく、第1話の書き出しをそのまま掲載しています。第1話の続きを読む
目次試し読み3話
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