
私が死んでから、世界は私を愛し始めた
| 言語 | 日本語 |
|---|---|
| 試し読み | 第1〜3話(当サイト) |
| 掲載日 | |
| 読み方 | 横書き・縦書きを切り替え可 |
『私が死んでから、世界は私を愛し始めた』は日本語の小説です。当サイトで第1〜3話を試し読みできます。
冒頭試し読み第1話より・約445字
死ぬ間際、私・水城日和(みずき ひより)は恋人の柊木蒼真(ひいらぎ そうま)に助けを求めた。
「蒼真、助けて……お願い……」
電話の向こうから返ってきたのは、苛立ちを隠そうともしない声だった。
「日和、今度は何のつもりだ?自殺騒ぎなら、もううんざりだ」
その背後で、従妹の朝倉小春(あさくら こはる)の甘ったるい声がした。
「蒼真くん、駅南口のお店のキャラメルラテが飲みたいな」
蒼真の声が、たちまち優しくなった。
「わかった。今から行こう」
通話は切れた。
そして、私の心臓も止まった。
やがて魂だけになった私は、宙を漂いながら眺めていた。
命を懸けて愛した人たちが、私が死んでから、吐き気がするほどの愛情を演じる姿を。
笑うしかない。
短い生涯のすべてを費やして、誰も差し出してはくれない愛を乞い続けていただけだった。
私の魂は、重さを失ったように宙を漂っていた。
白いシーツをかけられた自分の身体が、救急車で運ばれていくのを見送った。
警察署の保管室では、私のスマホが透明な証拠品袋に入れられ、ぽつんと置かれていた。
※作品紹介ではなく、第1話の書き出しをそのまま掲載しています。第1話の続きを読む
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