
彼のミューズ
| 言語 | 日本語 |
|---|---|
| 試し読み | 第1〜3話(当サイト) |
| 掲載日 | |
| 読み方 | 横書き・縦書きを切り替え可 |
『彼のミューズ』は日本語の小説です。当サイトで第1〜3話を試し読みできます。
冒頭試し読み第1話より・約450字
絶望のあまり荒れ果てていく直哉を見て、私はため息をつきながらも彼のそばに残ることを選んだ。
それから三年。
私は直哉の創作を支える存在となり、耳が聞こえない状態でも、直哉が人の心を震わせる曲を生み出せるよう、ずっと寄り添い続けた。
かつて直哉は、私をまっすぐ見つめて言った。
「君がいなくなったら、俺は生きていけない」
三年後、直哉の聴力は回復した。藤井家では、直哉の耳が再び聞こえるようになったことを盛大に祝い、それと同時に、私たちの結婚準備も進められていった。
周囲の誰もが喜びに沸く中、私だけは素直に笑えなかった。海外から戻ってきた美緒と直哉が手を取り合い、愛おしそうに見つめ合っている姿を目にしてしまったからだ。
そして結婚式当日、三年前にもらった一通の招待状を手に、私は海外へ向かう飛行機に乗り込んだ。
病院で、直哉の聴力が確実に回復しつつあると診断されたとき、私は自分のことのように嬉しかった。
慣れた手つきで手話を使い、おめでとうと伝える。
三年間ずっと沈んでいた直哉の顔に、初めて心からの笑みが浮かんだ。
※作品紹介ではなく、第1話の書き出しをそのまま掲載しています。第1話の続きを読む
目次試し読み3話
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