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命を捧げ、失った愛を弔う

言語日本語
試し読み第1〜3話(当サイト)
掲載日
読み方横書き・縦書きを切り替え可

『命を捧げ、失った愛を弔う』は日本語の小説です。当サイトで第1〜3話を試し読みできます。

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冒頭試し読み第1話より・約582字

誕生日のあの日、私・白石美月(しらいし みづき)と義妹の白石美咲(しらいし みさき)は交通事故に遭った。

炎はすでに私の体に燃え移っていた。それなのに、婚約者の篠原蓮(しのはら れん)は助手席を指さし、こう言った。

「先に美咲を助けてくれ。あの子は心臓が弱いんだ」

目を覚ましたとき、私の顔は見る影もなく焼けただれ、余命は長くても一か月だと告げられた。

その後、篠原家と白石家の利益のために、家族は美咲を私の代わりに嫁がせることに決めた。

蓮は、包帯で覆われた私の顔を痛ましげに撫でながら、こう約束した。

「顔の傷が治ったら、篠原家の妻の座は必ず君に返す」

私は笑って頷いた。

それどころか、自分が持っていた株式も、不動産も、未公開の絵までも、結婚祝いとして美咲に譲り渡した。

美咲は私の作品を踏み台にして、世間の注目を一身に浴びる天才画家となった。

記者の取材を受けた母は、感極まって涙を流しながら言った。

「あの時、事故に遭ったのが美咲じゃなくて本当によかったわ。そうでなければ、うちは天才を一人失うところだったもの!」

蓮もまた、世間に向けて高らかに宣言した。「美咲こそが、篠原家の嫁になるのだ」と。

けれど、彼らは知らなかった。

本当の天才が、片隅から冷ややかに彼らを見つめていたことを。

そして、私が自ら差し出したすべてのものは――

最初から復讐のために用意した供物だったということを。

※作品紹介ではなく、第1話の書き出しをそのまま掲載しています。第1話の続きを読む

目次試し読み3話

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