
捧げた愛は、灰となって消えた
| 言語 | 日本語 |
|---|---|
| 試し読み | 第1〜3話(当サイト) |
| 掲載日 | |
| 読み方 | 横書き・縦書きを切り替え可 |
『捧げた愛は、灰となって消えた』は日本語の小説です。当サイトで第1〜3話を試し読みできます。
冒頭試し読み第1話より・約484字
私、真鍋沙耶(まなべ さや)が難産になったとき、看護師は夫の桐生直哉(きりゅう なおや)を分娩室に呼び入れた。
彼は私の手を握り、何の前触れもなく耳元でこう言った。
「君のお姉さん、さっき妊娠が分かったんだ。子どもは俺のだ」
顔が真っ青になり、信じられないという目で彼を見つめる私を前にしても、彼は平然とした表情で、落ち着いた手つきで私の額の汗を拭った。
「実は昨夜、君が破水したとき、俺たちは隣のゲストルームにいたんだ。君の悲鳴は聞こえてた。でも彼女が俺にしがみついて離れなくてさ、抜け出せなかった。
そのあと彼女が病院に来ただろ。顔が真っ赤だったから、体調が悪いのかと思って早く帰って休めって言ったけど、あれはただ興奮してただけだよ」
そう言って、彼は意味ありげに笑った。まるで余韻に浸っているかのように。
「それに、君の両親も俺たちのことは知ってる。ずっと隠すのに協力してくれてた」
全身が凍りついた。
分娩室に入る前、あんなに心配そうに扉の前で私の汗を拭き、泣きながら無事を祈ってくれていたのに。
激痛が全身を襲い、私は残った力を振り絞って彼の手を掴み、問い詰めた。
「どうして?」
※作品紹介ではなく、第1話の書き出しをそのまま掲載しています。第1話の続きを読む
目次試し読み3話
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