
兄たち、今さら後悔しても遅い
| 言語 | 日本語 |
|---|---|
| 試し読み | 第1〜3話(当サイト) |
| 掲載日 | |
| 読み方 | 横書き・縦書きを切り替え可 |
『兄たち、今さら後悔しても遅い』は日本語の小説です。当サイトで第1〜3話を試し読みできます。
冒頭試し読み第1話より・約570字
新年早々、三人の兄を助けようとして事故に遭った。
けれど兄たちは泣きながら「治療費はない」と言い張り、あっさり私の足を切り落とす決断をした。
「藤乃(ふじの)、ごめん……俺たちが不甲斐ないばかりに。大丈夫だ、血でも腎臓でも売って、君を養ってみせるから!」
――そう言ったくせに、術後すぐの私をボロアパートに置き去りにし、
「治療費を稼いでくる」と赤い目で言い残して消えていった。
ベッドは真っ赤に染まり、痛みに耐えながら私は這うように外へ出た。
――このまま終わらせよう。
もうこれ以上、兄たちの重荷にはなりたくない。
そう思って、近くのホテルの屋上を目指した。
そして辿り着いた瞬間、目に飛び込んできたのは――煌びやかな大宴会だった。
そこには兄たちが揃って、見知らぬ少女を囲んでいた。
彼女は豪華なドレスに宝石を身にまとい、石水家の「唯一のお姫様」と呼ばれていた。
億単位のギャラで呼ばれたオーケストラが奏でるのは――ただのバースデーソング。
その光景が、胸の奥に突き刺さった。
思い出したのは……血にまみれたボロアパートのベッド。
あの時、彼らはたった数百円の包帯すら惜しんだのだ。
長兄・石水遥斗(いしみずはると)は、甘ったるい声でケーキを彼女の口元へ運ぶ。
「花音(はなおん)……君だけが俺たちの妹だ」
次兄・石水蒼鳥(いしみずあおと)はティアラをそっと頭に乗せる。
※作品紹介ではなく、第1話の書き出しをそのまま掲載しています。第1話の続きを読む
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