
40度の真夏に、私は両親に車の中に閉じ込められた
| 言語 | 日本語 |
|---|---|
| 試し読み | 第1〜3話(当サイト) |
| 掲載日 | |
| 読み方 | 横書き・縦書きを切り替え可 |
『40度の真夏に、私は両親に車の中に閉じ込められた』は日本語の小説です。当サイトで第1〜3話を試し読みできます。
冒頭試し読み第1話より・約506字
それなのに両親は、弟である佐伯陽斗(さえき はると)の荷物持ちをさせるため、私を無理やり遊園地へ連れ出した。
車を降りるなり、陽斗がアイスを食べたいと駄々をこねた。
両親は陽斗を甘やかすように抱きかかえてそそくさと立ち去り、私はロックされた車内に一人置き去りにされた。
うだるような熱気に目を覚ました私は、助けを求めて必死に車の窓を叩いた。
ガラス越しに、母がふと振り返るのが見えた。
母は父に向かって「あの子ったら、どうせ車の中でエアコンに当たっていたくて降りてこないんでしょ」と言っていた。
車内の温度は70度近くまで跳ね上がっていた。
薄れゆく意識のなか、最後に目にしたのは、アイスを手にした陽斗が私に向かってあっかんべーをしている姿だった。
私の魂が体を離れ、車外へと揺らめき出ていく。
お父さん、お母さん。これでようやく、私を目障りに思わずにすむね。
車内の空気は、焼けつくように熱かった。
私ははっと目を覚ました。
汗が目に入って視界がぼやけ、喉は焼けるように乾いて痛んでいた。
口を開けて息を吸おうとするが、肺に流れ込んでくるのは熱風ばかりだ。
窓の外からは、突き刺さるような日差しが降り注いでいる。
ドアは固く閉ざされている。
※作品紹介ではなく、第1話の書き出しをそのまま掲載しています。第1話の続きを読む
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