
雪が降り、君はもういない
| 言語 | 日本語 |
|---|---|
| 試し読み | 第1〜3話(当サイト) |
| 掲載日 | |
| 読み方 | 横書き・縦書きを切り替え可 |
『雪が降り、君はもういない』は日本語の小説です。当サイトで第1〜3話を試し読みできます。
冒頭試し読み第1話より・約494字
天才経営者と称される白橋優弥(しらはし ゆうや)は生まれつき身体が弱かった。少し歩けば息が上がり、走ると咳き込み、一時間でも薬を切らせば喀血して倒れてしまう――そんな体だった。
それでも、海川市界隈の名家において、誰一人として彼を軽んじる者はいない。
理由は簡単だ。
優弥のそばには、常に私、上杉美琴(うえすぎ みこと)がいたからだ。
私は――彼のために働く、最も鋭い剣。
十七歳のとき、私はまだ九歳だった優弥を連れて敵の追跡をかいくぐり、命からがら逃げ延びた。二十三歳になる頃には、彼の地位を脅かす相手をすべて排除し、二十八歳では、白橋家のために数百億規模の案件を獲得して、没落しかけていた家を再び名門の頂点へ押し上げた。
気がつけば十一年、私はずっと彼のそばにいた。
幼い頃からの、唯一の友人として。彼の身代わりになって三発の銃弾から守ってあげた恩人として。そして――彼の欲望が暴走しそうになった時の、捌け口として。
周囲の人間には、私たちが闇の中で絡み合うイバラのようだと言われてきた。いつ婚約が発表されても不思議ではない――そう思われていた。
あの女、斉藤ひより(さいとう ひより)が現れるまでは。
※作品紹介ではなく、第1話の書き出しをそのまま掲載しています。第1話の続きを読む
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