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過ぎ去った恋心は、海へと還っていく

言語日本語
試し読み第1〜3話(当サイト)
掲載日
読み方横書き・縦書きを切り替え可

『過ぎ去った恋心は、海へと還っていく』は日本語の小説です。当サイトで第1〜3話を試し読みできます。

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冒頭試し読み第1話より・約490字

七周年の結婚記念日。

須崎周作(すさきしゅうさく)は愛人を家に連れ帰ってきた。

その女は涙で目を潤ませ、私の前にいきなりひざまずいた。

「小林(こばやし)さん、愛に先も後もないわ。私と周作は心から愛し合っているの!どうか私たちを許してください!」

私は周作の方へ顔を向けた。

彼は心配そうに古井美和(ふるいみわ)を抱き上げ、いつもは潔癖な彼が、どうしたらいいのか分からないようにその涙をぬぐった。

そして顔を上げることなく、彼はこう言った。「美和は何もないまま俺に付いてきた。俺は彼女を裏切れない。安心しろ。美和には野心なんてない。ただ家にもう一人が増えるだけだ」

そう言い残し、彼は美和を抱いたまま寝室へと入っていき、扉を閉めた。

彼は忘れてしまったようだ。今日は私たちの結婚記念日だということを。

そして七年前も、何もないまま彼に付いていた少女がいたことを。

テーブルの上で「記念日おめでとう」と輝くライトを見つめながら、私は悟った。

もう、彼と私に未来はないのだと。

七周年の結婚記念日。

須崎周作(すさきしゅうさく)は愛人を家に連れ帰ってきた。

その女は涙で目を潤ませ、私の前にいきなりひざまずいた。

※作品紹介ではなく、第1話の書き出しをそのまま掲載しています。第1話の続きを読む

目次試し読み3話

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