
これより先、それぞれの幸せを
| 言語 | 日本語 |
|---|---|
| 試し読み | 第1〜3話(当サイト) |
| 掲載日 | |
| 読み方 | 横書き・縦書きを切り替え可 |
『これより先、それぞれの幸せを』は日本語の小説です。当サイトで第1〜3話を試し読みできます。
冒頭試し読み第1話より・約535字
部署のみんなで、親睦を兼ねたハイキングに出かけることになった。
グループ分けのとき、私――白川琴葉(しらから ことは)は2年間ひそかに付き合っている佐伯湊(さえき みなと)を見る。
当然、彼は私を選ぶと思っていた。
けれど彼が目を向けたのは、帰国したばかりの幼なじみ――前田夏海(まえだ なつみ)だった。
「体力ないだろ。俺と同じグループに入れ。俺がついてるから」
夏海はごく自然な仕草で、彼の腕に手を絡める。
それを見た同僚たちは、たちまち囃し立てる。「やっぱり幼なじみって特別ですね。社長、まだ独身ですよね?二人、けっこうお似合いじゃないですか」
湊は、夏海の腕を振りほどこうともしない。ただ、淡々と答える。「うん。俺、彼女いないけど」
その場で、私は凍りつく。
昨夜まで、彼は私を抱きしめていた。「もうすぐ、みんなにちゃんと話すから」そう言っていたのに。
なのにグループ分けが終わるまで、彼は一度も私を見ない。
私はどのグループにも入らず、自由参加の組に回された。そして山を登っている途中、半ばまで来たところで足をひねる。
私は彼にメッセージを送る。【湊、もう歩けない】
既読はつく。けれど、返事はない。
40分待って、ようやく届いたのは、グループチャットに投稿された山頂での集合写真だった。
※作品紹介ではなく、第1話の書き出しをそのまま掲載しています。第1話の続きを読む
目次試し読み3話
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