
私の理想の家を愛人に贈った夫
| 言語 | 日本語 |
|---|---|
| 試し読み | 第1〜3話(当サイト) |
| 掲載日 | |
| 読み方 | 横書き・縦書きを切り替え可 |
『私の理想の家を愛人に贈った夫』は日本語の小説です。当サイトで第1〜3話を試し読みできます。
冒頭試し読み第1話より・約545字
子宮内容除去術を終えたばかりの私・浅倉智世(あさくら ちよ)に、浅倉靖(あさくら やすし)から電話がかかってきた。
「今日、美月の新居が着工なんだ。現場を見てくるから、夕飯は待たなくていいぞ。
智世は生理中なんだろ?だったら、あんまり出歩かないで、早く帰って休めよ」
私は平らになったお腹に手を当てたまま、しばらく何も言えなかった。
靖と西条美月(さいじょう みつき)は、昔から私たちが働く建築設計事務所の看板デザイナーだった。
靖は内装工事に強く、美月はインテリアのセンスに定評がある。
私と靖の家も、二人が設計することになっていたのだが、打ち合わせをしていても、最後にはいつも靖が別の図面を取り出した。
それは何度も何度も手を入れた、美月の新居のための設計図。靖はそれを広げ、美月のために考えた内装プランを一つひとつ丁寧に説明していく。
しかも、そこに描かれているのは、かつて私と靖が二人で思い描いていた、理想の家そのものだった。
「美月は一人暮らしだし、部屋もそんなに広くないから、ついでに設計するくらい、大した手間じゃない。
智世はまだ妊娠してないんだし、子どもが生まれてから子ども部屋もまとめてやったほうが楽だろ」
その「楽だから」という言葉を信じて、私は壁にクロスすら貼られていない家で3年も待った。
※作品紹介ではなく、第1話の書き出しをそのまま掲載しています。第1話の続きを読む
目次試し読み3話
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