
狂ってしまえば、誰にも縛られない
| 言語 | 日本語 |
|---|---|
| 試し読み | 第1〜3話(当サイト) |
| 掲載日 | |
| 読み方 | 横書き・縦書きを切り替え可 |
『狂ってしまえば、誰にも縛られない』は日本語の小説です。当サイトで第1〜3話を試し読みできます。
冒頭試し読み第1話より・約491字
前の人生、この家の血を引く本物の令嬢だった私は、婚約者の前田隆(まえだ たかし)と両親に気に入られようと、惨めなほど尽くしていた。
結局、拾われ子の偽の令嬢、野口睦月(のぐち むつき)に階段から突き落とされて障害を負い、死を迎えた。
次に目を覚ますと、私は彼女に突き落とされる前日に戻っていた。
「お父さん、お姉さんがうっかり割ってしまったの。だからお姉さんを責めないで……」睦月は目を赤くしていたが、口元は挑発的に歪んでいた。
私を見る彼女の瞳には、この年頃にあるべき青さはなく、勝利を確信したような残酷な光が宿っていた。
その余裕な態度を見て、ありえないけれど、たったひとつの答えが頭に浮かんだ。睦月も人生をやり直しているのだ、と。
彼女は待っているのだ。前の人生みたいに、私が追い詰められてひざまずき、許しを乞うのを。
残念だけど、その思惑通りにはならない。
私は何も言わずに、飾り棚にあったもっと高価な花瓶を手に取ると、睦月の足元へ叩きつけた。
割れた破片が彼女の足首を切りつけ、鮮血が流れ出した。
「私が割ったって言い張るんだから、本当に割ってあげなきゃ、あなたが嘘つきになっちゃうでしょ?」
※作品紹介ではなく、第1話の書き出しをそのまま掲載しています。第1話の続きを読む
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