
文音は、もう涼風を待たない
| 言語 | 日本語 |
|---|---|
| 試し読み | 第1〜3話(当サイト) |
| 掲載日 | |
| 読み方 | 横書き・縦書きを切り替え可 |
『文音は、もう涼風を待たない』は日本語の小説です。当サイトで第1〜3話を試し読みできます。
冒頭試し読み第1話より・約391字
月島文音(つきしま あやね)は面会室のガラス越しに端座し、蒼白な唇をきつく結んでいた。
文音の父親・月島隆道(つきしま あやみち)は勢いよく立ち上がった。グレーのオーダースーツは体にぴったり合っていたが、その動きの激しさに、小さな裂け目が入ってしまった。
喜びを押し殺すように、無理に心配そうな表情を作った。
「文音……本当にそれでいいのか?お前を助け出すのは簡単なことじゃない。父さんだって三年も手を尽くしたが、何の成果もなかった……
でも、お前が嫁ぐ覚悟を決めたのなら、安心しなさい。全財産を投げ打ってでも、半月以内に必ず救い出す!ウェディングドレスはどんなデザインがいい?すぐに準備する!」
「そんなことはどうでもいい」
文音は唇を皮肉に歪めた。
「でもね、西園寺家が求めてるのは『月島家の嫡長女』との縁組でしょ?だったら、私の身分、変える必要があるんじゃない?」
隆道の表情が一気に冷えた。
※作品紹介ではなく、第1話の書き出しをそのまま掲載しています。第1話の続きを読む
目次試し読み3話
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