
思い入れはすべて水の泡
| 言語 | 日本語 |
|---|---|
| 試し読み | 第1〜3話(当サイト) |
| 掲載日 | |
| 読み方 | 横書き・縦書きを切り替え可 |
『思い入れはすべて水の泡』は日本語の小説です。当サイトで第1〜3話を試し読みできます。
冒頭試し読み第1話より・約476字
精神病院に閉じ込められて3年。宇宙開発のエースになっていた夫の三浦朔(みうら さく)が、じきじきに私を迎えに来た。
「当初お前を入院させたのは、どうしようもなかったんだ。もう降格を願い出て、お前を連れ戻した。これからは、ふたりで穏やかに暮らそう」
そう言われ、「自分のせいで朔の出世の道が閉ざされた」と思いこんだ私は、それからの人生を彼のために、かいがいしく尽くしつづけた。
しかし死の直前になって、娘が私を密告した一通の手紙を見つけた。それは、なんと朔の直筆だったのだ。
そこには、彼が親友・佐藤勇太(さとう ゆうた)の妻・佐藤真奈美(さとう まなみ)と30年間も交わしつづけていた手紙もあった。
手紙には、未亡人の真奈美を守るため、私を精神病に仕立てあげたと書かれていた。嘘の診断書で私を病院送りにし、宇宙飛行士の席を真奈美にゆずった、と書かれていた。
それを見て手から滑り落ちたコップが、床で粉々に砕け散る。その破片に、私はまるで心を突き刺されたかのようだった。
本来、宇宙へ行くはずだったのは、私だったんだ。
それなのに朔は、他の女のために私の夢を奪ったんだ。
※作品紹介ではなく、第1話の書き出しをそのまま掲載しています。第1話の続きを読む
目次試し読み3話
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