
卒業写真から消された、私の七年の恋
| 言語 | 日本語 |
|---|---|
| 試し読み | 第1〜3話(当サイト) |
| 掲載日 | |
| 読み方 | 横書き・縦書きを切り替え可 |
『卒業写真から消された、私の七年の恋』は日本語の小説です。当サイトで第1〜3話を試し読みできます。
冒頭試し読み第1話より・約523字
卒業記念パーティーで、経済経営学部の4年間を振り返る記念映像が上映された。
編集を担当したのは、柏木智也(かしわぎ ともや)だった。
最後の一枚が映し出された瞬間、会場から一斉に冷やかす声が上がった。
写真には、海辺に並ぶ智也と宮本晴香(みやもと はるか)が写っていた。二人の背後に夕日が沈み、まるで選び抜かれたカップル写真のようだった。
私は元の写真を知っていた。
あの日、海へ行ったのは3人だった。
私はもともと、智也の左隣に立っていた。
だが今は、写真から切り取られていた。
司会者は笑いながら、どうしてこの写真だけを残したのかと尋ねた。
智也はマイクを握ると、私――高瀬栞(たかせ しおり)にちらりと目を向けた。
「栞は目をつぶってたから、写りが悪かったんだ」
客席から笑い声が上がり、誰かが、さすが柏木家の御曹司、彼女の写りまでちゃんと気にするんだな、とからかった。
私も一緒に笑った。
その場にいた誰も知らなかった。
ほんの30分前、私は東都のプロジェクト責任者に返事を送ったばかりだった。
卒業後、私は汐見市へは行かないことにした。
智也が7年間思い描いてきた未来に、今度は私はいなかった。
卒業記念パーティーが終わると、講堂の外は写真を撮る学生たちであふれていた。
※作品紹介ではなく、第1話の書き出しをそのまま掲載しています。第1話の続きを読む
目次試し読み3話
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