
冬の終わり、遅すぎた後悔
| 言語 | 日本語 |
|---|---|
| 試し読み | 第1〜3話(当サイト) |
| 掲載日 | |
| 読み方 | 横書き・縦書きを切り替え可 |
『冬の終わり、遅すぎた後悔』は日本語の小説です。当サイトで第1〜3話を試し読みできます。
冒頭試し読み第1話より・約454字
自殺未遂から救われて7日目。
若菜は、千聡が望んでいた「物静かな」妻になった。
新しく見つけた面白いものを、そのたびに彼へ嬉しそうに話すこともない。
彼のシャツについた口紅の跡を見つけて、取り乱しながら問い詰めることもない。
家庭へ戻ると言いながら浮気を疑われていた千聡が、毎日誰と連絡を取っているのかを執拗に探ることもなくなった。
彼が望んでいた通り、静かに、干渉せず、彼へ絶対的な自由を与える妻になったのだ。
だから、買い物中に重大な人質事件へ巻き込まれて負傷したときも、若菜は一人で警察署で事情聴取を終え、そのまま黙って病院で傷の手当てを受けた。
千聡は包帯の巻かれた彼女の腕を見ると、抱き寄せようと手を伸ばした。
しかし若菜はそっと身をかわし、そのまま車へ乗り込むと、淡々とした口調で言った。
「大したことじゃないから」
千聡の手は宙に取り残された。
あまりにも穏やかな若菜の口調に、彼は思わず眉をひそめる。
彼女はこんなはずじゃなかった。
若菜は、彼が望んでいた理想の妻になった。
さらには彼の恋まで受け入れ、自ら身を引いた。
※作品紹介ではなく、第1話の書き出しをそのまま掲載しています。第1話の続きを読む
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