
迷子のツバメは帰れない
| 言語 | 日本語 |
|---|---|
| 試し読み | 第1〜3話(当サイト) |
| 掲載日 | |
| 読み方 | 横書き・縦書きを切り替え可 |
『迷子のツバメは帰れない』は日本語の小説です。当サイトで第1〜3話を試し読みできます。
冒頭試し読み第1話より・約533字
目の代わりになってくれる相棒がほしいのだと嘘をついて、母に頼み込み、彼を助けてもらった。
私はこっそり、彼の耳元で約束した。
「あなたに盲導犬みたいなことをさせたいわけじゃないの。ちゃんと生きて。行きたいところへ、どこへでも行って」
けれど澄也は、私のそばに残った。母が再婚したあと、彼は私にとってただ一人の支えになった。
彼は私の成長を見守り、何年も何年も、私の白杖代わりでいてくれた。
それどころか、私の目を治すために、誰よりも優れていた絵の才能を諦め、医学の道へ進んだ。
けれど彼が眼科の名医になっても、私は相変わらず何も見えなかった。
そして私が二十五歳になった日、かつて澄也の理解者だった人が、美術界の大きな賞を受賞した。
澄也は書斎に閉じこもり、紙を破るような音だけを、かさかさと響かせていた。
感情を押し殺した声で、私への誕生日メッセージを書いているのだと言った。
嬉しくなって、彼にキスしようと近づいたそのとき、真っ暗なはずの視界に、突然コメントの列が流れた。
【安奈、いい加減気づきなよ。あいつ、自分の絵を全部びりびりに破ってる。裏には全部、『藤原安奈、死ね』って書いてあるんだよ】
【これ以上進まないで。あいつ、目の前にショートした電線を置いてる。踏んだら命がないよ!】
※作品紹介ではなく、第1話の書き出しをそのまま掲載しています。第1話の続きを読む
目次試し読み3話
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