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風に散る霧、過ぎし日の痕

言語日本語
試し読み第1〜3話(当サイト)
掲載日
読み方横書き・縦書きを切り替え可

『風に散る霧、過ぎし日の痕』は日本語の小説です。当サイトで第1〜3話を試し読みできます。

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冒頭試し読み第1話より・約560字

「もしもし、三浦さん。ご主人の墜落事故による行方不明の件で、新しい情報が入りまして......」

その言葉を聞いた瞬間、夢乃は嬉しさと緊張で胸がいっぱいになり、点滴を乱暴に抜き取った。

目を赤くしながら、急いで警察署へ向かった。

しかし――

ずっと思い焦がれてきた、あの懐かしい横顔の傍らには、一人の女が立っていた。

「ねぇ、礼。私、まだお腹すいてるんだけど?いつまで仕事してるの?

早く帰って、私を満たしてよ?」

甘えるような声。

その奥には、明らかな挑発が滲んでいた。

一瞬で、夢乃の期待は奈落へ落ちていった。

彼は――

一年もの間、事故で失踪した夫の佐藤風雅(さとうふうが)ではなかった。

彼はその双子の弟、もうすぐ義妹の三浦茜(みうらあかね)と婚約するはずの男、佐藤礼(さとうれい)だった。

再び押し寄せる失望。

夢乃は、無理に引き抜いた点滴跡の、青紫に腫れた腕を押さえながら、ひとりで警察署を後にした。

視界が熱く滲むまま、暗い通路に歩みを進めたその時――

「風雅兄さん!」

茜の声が、静寂を裂いた。

夢乃は、その場に立ち尽くした。

病院でCRT、すなわち認知機能リハビリテーションを受けていた三浦夢乃(みうら ゆめの)は、警察から一本の電話を受けた。

「もしもし、三浦さん。ご主人の墜落事故による行方不明の件で、新しい情報が入りまして......」

※作品紹介ではなく、第1話の書き出しをそのまま掲載しています。第1話の続きを読む

目次試し読み3話

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