
私を捨てた家族など、二度と振り返らない
| 言語 | 日本語 |
|---|---|
| 試し読み | 第1〜3話(当サイト) |
| 掲載日 | |
| 読み方 | 横書き・縦書きを切り替え可 |
『私を捨てた家族など、二度と振り返らない』は日本語の小説です。当サイトで第1〜3話を試し読みできます。
冒頭試し読み第1話より・約516字
大学の合格通知書が届いたその日。
家族のグループチャットに、お母さんから二枚のチケットの画像が送られてきた。
同じリビングにいるというのに、わざわざチャットで送りつけてきたのだ。
一枚は、帝都へと向かう飛行機のチケット。
搭乗者の名前は、私、白石結月(しらいし ゆづき)。
もう一枚は、西の港湾都市へ向かう新幹線の普通席チケット。
こちらの名前は、藤堂杏奈(とうどう あんな)。
「今回は特別に、あなたにはわざわざ飛行機を取ってあげたのよ」
お母さんはわざとらしく大きなため息をつくと、これみよがしに言った。
「杏奈ちゃんなんて、窮屈な新幹線に乗っていくっていうのに。これで私たちがひいきしてるなんて文句、もう絶対に言わせないからね」
リビングの隅では、お兄ちゃん、蒼大(そうた)が杏奈の荷造りを手伝っている。
彼女の大好きな地元の高級なお菓子や特産品が、大きなトランク三つにこれでもかと詰め込まれていた。
蒼大は私を忌々しそうに睨みつけ、鼻で笑う。
「全くだ。飛行機代がどれだけ高いと思ってんだよ。お前は昔から嫉妬深くてがめついからな。杏奈のチケットにまで難癖つけるんじゃないぞ」
私はただ静かに俯き、何も言い返さなかった。
だって、私は昨夜見てしまったから。
※作品紹介ではなく、第1話の書き出しをそのまま掲載しています。第1話の続きを読む
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