
消された十年の愛
| 言語 | 日本語 |
|---|---|
| 試し読み | 第1〜3話(当サイト) |
| 掲載日 | |
| 読み方 | 横書き・縦書きを切り替え可 |
『消された十年の愛』は日本語の小説です。当サイトで第1〜3話を試し読みできます。
冒頭試し読み第1話より・約492字
白石梨乃(しらいし りの)の存在を知った後、私は黒崎悠真(くろさき ゆうま)を責め立てることもなく、ただ離婚協議書を突きつけた。
彼はうつむいたまま座り、しばらく葛藤した末にそれを破り捨てた。
「十日だ。十日後には梨乃を遠くへやる。二度と俺たちの生活に関わらせないから」
そう言い残すと、私の返事を待つこともなく背を向け、家を出て行った。
そして、この十日間。
悠真は彼女を連れてラフティングや雪山登山、バンジージャンプ、スカイダイビングなど、刺激的な遊びを片っ端から楽しんだ。
海辺で朝日を眺め、縁結びを祈願するなど、思いつく限りのロマンチックな時間を過ごした。
そして九日目の夜。
すべての荷物をまとめ終えた時、思いがけず十年前の自分からビデオ通話がかかってきた。
「本当に十年後の私なのね!」
画面越しの「私」は明るい笑顔を浮かべ、興奮しきっていた。
「じゃあ、私と悠真はもう結婚して、子供もいるの?」
私は目に苦痛の色をにじませ、そのままベランダへ向かった。
眼下で強く抱き合い、名残惜しそうにしている悠真と梨乃にカメラを向けた。
「これが結末よ」
彼女は目を見開き、呆然と呟いた。
「そんな、嘘でしょ……」
※作品紹介ではなく、第1話の書き出しをそのまま掲載しています。第1話の続きを読む
目次試し読み3話
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