死んだあと、法医学者である兄は私の遺体を繋ぎ合わせた第2話
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12歳のとき、私は兄と山登りに出かけた。
山肌はあまりに急で、さらに突然の豪雨に見舞われ、兄は足を滑らせて柵の外へ落ちてしまった。
私は咄嗟に右腕を伸ばし、兄の手を必死に掴んだ。
そのまま三時間、救助隊が駆けつけるまで支え続け、ようやく手を離したのだ。
その後、私たちは病院へ運ばれた。
兄はほとんど無傷だったが、私の右腕は二度と力を入れられないほどに損傷し、一生涯元には戻らなかった。
まさか兄が気づくのでは?
たとえ魂であっても、思わず息を殺し、胸が張り裂けそうなほど緊張した。
「被害者の右腕には古い骨折痕がある。痕跡から判断すると、子どもの頃に負った怪我。
この点を基準にすれば、被害者の範囲を絞り込めるはずだ」
兄の言葉に、胸の奥が締めつけられるように痛んだ。
気づいてほしくはないのに、いざそうなりそうになると、どうしようもなく悲しい。
あの怪我のあと、兄はひどく自分を責めた。
私のために身の回りの世話を焼き、細やかに気を配ってくれた。
「これからは俺が右腕になる」兄がそう言ってくれた。
だが今となっては、その記憶さえ消え去ってしまったかのようだった。
私は唇の端に苦い笑みを浮かべる。
一方で、山下警部は険しい顔で言った。「確かに重要な手がかりだ。
部下に伝えて注意させよう」
「頼む」兄はうなずき、再び組み上げられた遺体を調べ始めた。「現時点の状況から見て、被害者は女性。年齢は18から22歳の間だ」
兄の目には怒りと深い悲しみが滲んでいた。
「こんな若さで、こんな非道な目に遭うなんて!」
「必ず犯人を捕まえてみせる!」
山下警部は拳を振り下ろし、壁を強く叩いた。
周囲の刑事たちも皆、重苦しい面持ちでうつむいた。
「他に死者の身元を特定する方法は?」山下警部が問う。
兄は二秒ほど沈黙し、答えた。「今できるのはDNA鑑定か、頭蓋骨から生前の顔を復元することくらいだ。
ただ、頭蓋骨にも欠損がある。時間はかかるだろう」
「わかった」山下警部はため息を漏らす。「残りの組織がどこかに残っていないか、引き続き人員を探させる」
「必ず犯人を捕まえろ!」
兄の声は震え、拳を握りしめる手に力がこもった。
「被害者の下半身は激しく損壊している。少なくとも50回以上、レイプを受けている」
その言葉に、私は思わず身体を震わせた。
兄は細部まで見逃さない。
五十二回。
あの密売人たちは交代で私を押さえ込み、延々と繰り返した。
息が詰まるような悪臭と吐き気を催す行為で、私は全身を覆われていった。
必死にもがいても、どうにもならない。
逆にやつらは狂ったように叫んだ。「さすが法医学者の妹だ、他の女とは比べものにならねえ!」
「橋本栄太も妹で練習したんじゃねえのか?あの筋肉の記憶は、妹を触って覚えたんじゃないのか」
「とんでもない女だな、俺たち全員相手にしても平気とは!」
絶え間ない罵り言葉。
ついには、私はもう感覚が麻痺していた。
ただ目を閉じ、回数だけを数えていた。
「ああ」山下警部は重い吐息をついた。
そして何かを思い出したように顔色を変え、兄を見つめた。「栄太、これ、お前の母親の事件と同じじゃないか。復讐の可能性は?」
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