
月は雲に隠れ、愛は傷になる
| 言語 | 日本語 |
|---|---|
| 試し読み | 第1〜3話(当サイト) |
| 掲載日 | |
| 読み方 | 横書き・縦書きを切り替え可 |
『月は雲に隠れ、愛は傷になる』は日本語の小説です。当サイトで第1〜3話を試し読みできます。
冒頭試し読み第1話より・約428字
交通事故に遭った後、星山茉知(ほしやま まち)はふとした悪戯心から、目の前にいる恋人に記憶を失ったふりをして尋ねてみた。
「……あなたは、誰?」
望月将吾(もちづき しょうご)はしばらく黙り込んだ。長い沈黙の末、ようやく口を開く。
「……お前の兄さんだよ」
その一言は、胸の奥底に冷たい小石を落とされたかのように響いた。茉知の顔から、笑みがすうっと消えていく。
まだその言葉の意味を咀嚼しきれずにいると、ドアがノックされた。
「望月さん、南雲さんが生理痛でかなりつらそうで……ずっとお名前を呼ばれているのですが、様子を見に行かれますか」
将吾は一瞬の迷いもなく立ち上がる。
「先に行く。茉知、ゆっくり休んでろ。後でまた来るから」
それだけを言い残し、彼は去っていった。
遠ざかる背中をただ見つめながら、茉知の胸は激しく揺さぶられ、気づけば問いかけていた。
「南雲さんって、誰……っ?」
少しの間を置いてから、将吾の声が返ってくる。
「俺の好きな人だ。お前の、未来の義姉になる人だよ」
※作品紹介ではなく、第1話の書き出しをそのまま掲載しています。第1話の続きを読む
目次試し読み3話
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