
愛は、花を慈しむように
| 言語 | 日本語 |
|---|---|
| 試し読み | 第1〜3話(当サイト) |
| 掲載日 | |
| 読み方 | 横書き・縦書きを切り替え可 |
『愛は、花を慈しむように』は日本語の小説です。当サイトで第1〜3話を試し読みできます。
冒頭試し読み第1話より・約520字
高橋美和は、幾度もの体外受精の苦しみに耐え抜き、ようやく藤原言弥との子を授かった。
だが、その喜びに浸る間もなく、美和は病院の廊下で信じがたい光景を目にしてしまう。
産婦人科の前で、言弥が秘書の中村さやかを守るように寄り添っていたのだ。
崩れ落ちるように問いただす美和に、言弥は冷たい視線を落とした。
「美和、頼むから取り乱さないでくれ。落ち着いたら、ちゃんと話す。この子だけは……どうしても産ませてやりたいんだ」
そう言い残し、怯えるさやかを抱き寄せてその場を立ち去った。
彼は気づかなかった。美和の足元に広がっていく、赤黒い血の色に。
――その日を境に、美和は藤原家から姿を消し、言弥の世界からも静かに消えていった。
そして数ヶ月後、すべてを失ったことに気づいた言弥は、ようやく取り返しのつかない絶望の淵に立たされることになるのだった。
診察室を出たばかりの高橋美和(たかはし みわ)は、胸の高鳴りを抑えきれずに夫の藤原言弥(ふじわら ことや)に電話をかけた。
しかし、その着信音が人混みの中から響き渡った瞬間、彼女は固まった。視線の先に映った光景は、彼女の心を粉々に砕くものだった。
――数日前、出張で付き添えないと言っていたはずの言弥が、そこにいたのだ。
※作品紹介ではなく、第1話の書き出しをそのまま掲載しています。第1話の続きを読む
目次試し読み3話
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