
心に刻んだ名前
| 言語 | 日本語 |
|---|---|
| 試し読み | 第1〜3話(当サイト) |
| 掲載日 | |
| 読み方 | 横書き・縦書きを切り替え可 |
『心に刻んだ名前』は日本語の小説です。当サイトで第1〜3話を試し読みできます。
冒頭試し読み第1話より・約468字
私は今、かつて学校で私をいじめていた男と一緒にいる。
朝の光がカーテンの隙間から差し込み、静かに部屋を照らす。私はほんのわずかに腕を動かした。
すると、腰に回された腕が、それに応じるようにぎゅっと力を込める。
高田智秀は私の首筋に唇を押し当て、寝起きの掠れた低い声が、耳元に落ちた。
「昨夜は……ちゃんと寝てたのか?」
一瞬、身体がこわばった。でも、私は素直に小さくうなずいた。
昔の私なら、少しくらいは抵抗したかもしれない。けれど、彼は三週間という時間をかけて、私にひとつのことを教えた。
──従えばいい、と。
彼が私の手を取り、指を絡めた。
ゆっくりと、指の間をなぞるように撫でながら、私の髪に顔を埋め、低く笑った。
「今度は……ちゃんとつけてるんだな?俺の指輪」
……
彼の視線の先は、私の薬指。そこには、煌めくダイヤの指輪がはまっている。
これまでに彼が私に渡した指輪は、二つ。一つは冷蔵庫の奥に隠し、もう一つはマンションの庭にある噴水へ投げ捨てた。
その二つの指輪が招いた結末は、今は思い出したくない。
ただ、三つ目の指輪が導いた未来は、もう決まっている。
※作品紹介ではなく、第1話の書き出しをそのまま掲載しています。第1話の続きを読む
目次試し読み3話
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