
彼は想い人のために、死んだ私の心臓を奪う?
| 言語 | 日本語 |
|---|---|
| 試し読み | 第1〜3話(当サイト) |
| 掲載日 | |
| 読み方 | 横書き・縦書きを切り替え可 |
『彼は想い人のために、死んだ私の心臓を奪う?』は日本語の小説です。当サイトで第1〜3話を試し読みできます。
冒頭試し読み第1話より・約459字
白石美咲(しらいし みさき)――それが、私の名前だった。
死んでから、5年。
そして今日、私がずっと想い続けた人、神崎悠真(かんざき ゆうま)が、ようやく私の眠る墓を訪れた。
理由は、ただ1つ。
彼の最愛の女性が、心臓移植を必要としていたからだった。
悠真は、私が生前に署名した臓器提供の同意書の写しを手に、風雨にさらされ、名前さえ読めなくなった私の墓石の前に立っていた。
霊園の管理人は、その様子を見かねて声をかけた。
「兄ちゃんよ、この子はもう5年前に亡くなったんだ。交通事故で、その場で即死だったんだ。遺体もひどい状態でな……いったい何の用なんだ?」
しかし、悠真には管理人の声など届いていなかった。
「……美咲はどこだ。今すぐ俺の前に連れてこい」
低く押し殺した声だった。
管理人は目を丸くし、困ったようにため息をついた。
「何を言ってるんだ。もう火葬も終わってる。ここにいるはずがないだろう。
葬式のときだって、ご両親は来なかった。この墓も、大学の友達が金を出し合って建ててくれたんだ」
その言葉を聞いた瞬間、悠真は勢いよく顔を上げた。
※作品紹介ではなく、第1話の書き出しをそのまま掲載しています。第1話の続きを読む
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