
寄生一家と決別、自由を手に入れる
| 言語 | 日本語 |
|---|---|
| 試し読み | 第1〜3話(当サイト) |
| 掲載日 | |
| 読み方 | 横書き・縦書きを切り替え可 |
『寄生一家と決別、自由を手に入れる』は日本語の小説です。当サイトで第1〜3話を試し読みできます。
冒頭試し読み第1話より・約570字
航空券は3ヶ月前、格安のセールで手に入れたもの。行き先は澄京、予約した席も、当然二人分だった。
出発の前夜、夫の近藤誠司が言い出した。彼の母親・近藤和江が腰痛持ちだから温泉に連れていきたい、それから、仕事を辞めたばかりの妹・近藤千佳も気晴らしに同行させたい、と。
「いいよ、家族だもんね」と答えた。
現地の温泉旅館に到着すると、ツインルームが一部屋しか空いていないとフロントに告げられた。
てっきりエキストラベッドを追加するのだと思っていた。しかし、誠司は母親と妹に視線を走らせた後、こちらを振り返って平然と言い放った。
「フロントでデイユースの部屋が空いてるか聞いて、そこでシャワーだけ浴びてきなよ。今夜はロビーのソファで適当に横になればいいから」
その言葉と同時に、和江の荷物を甲斐甲斐しく運び始めた。スーツケースを手に廊下に立ち尽くしていると、部屋から千佳がひょっこりと顔を出した。
「お義姉さーん、ついでに下に降りてミネラルウォーター買ってきてくれない?部屋のやつ、冷えてないんで」
碧ノ湖の夜風が吹き抜けて、驚くほど頭が冷えていく。かつてないほど、思考がクリアになるのを感じる。
ロビーへと降りて、その足で帰りの航空券について調べ始めた。私は、一人で帰るのだ。
結婚してわずか3日目。ハネムーンが、必ずしも二人だけのものではないのだと、初めて知った。
※作品紹介ではなく、第1話の書き出しをそのまま掲載しています。第1話の続きを読む
目次試し読み3話
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