
咲き尽くした桔梗に春は訪れず
| 言語 | 日本語 |
|---|---|
| 試し読み | 第1〜3話(当サイト) |
| 掲載日 | |
| 読み方 | 横書き・縦書きを切り替え可 |
『咲き尽くした桔梗に春は訪れず』は日本語の小説です。当サイトで第1〜3話を試し読みできます。
冒頭試し読み第1話より・約558字
誕生日の当日、六年間付き合っていた彼氏は、彼の初恋の相手にプロポーズした。恋が過ぎ去り、私は冷静に身を引き、その関係から離れることを選んだ。そして、家が決めてくれた政略結婚を受け入れることにした。
恋愛六年目、私は彼氏の篠原凌也(しのはらりょうや)のコートのポケットの中で、婚約指輪が入った小箱を見つけた。
誕生日当日、期待に胸を膨らませていたのに、凌也が別の女性と高級レストランに出入りしている写真をSNSで見てしまった。
私は急いでタクシーに乗り、そのレストランへ向かい、目の前で凌也が片膝をついて他の女性にプロポーズする様子を目撃した。周囲の人たちは、二人の結婚を促した。
失望が募る中、私はこれまでのように大騒ぎはせず、ただ静かに父親に電話をかけた。
「お父さん、森田(もりた)家との縁談を受けることにした。もう結婚の準備を進めていいよ」
私の言葉を聞いた父親は一瞬驚いたが、すぐに喜びの声をあげた。
「いい子だ。結婚はやっぱり釣り合いが大事だ。外の貧乏男は味見するくらいでいいけど、一生そのままじゃ食えないからな!」
私は小さく「うん」と返事をした。レストランのロビーに一人立ち尽くした私は、凌也とあの女性が皆の歓声の中で抱き合うのを見つめた。
周りはみんな二人を祝福し、私はまるで体の動かない木偶のようにそこに立っていた。
※作品紹介ではなく、第1話の書き出しをそのまま掲載しています。第1話の続きを読む
目次試し読み3話
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