
メイド扱いされた私が去った後、坊ちゃんが狂った
| 言語 | 日本語 |
|---|---|
| 試し読み | 第1〜3話(当サイト) |
| 掲載日 | |
| 読み方 | 横書き・縦書きを切り替え可 |
『メイド扱いされた私が去った後、坊ちゃんが狂った』は日本語の小説です。当サイトで第1〜3話を試し読みできます。
冒頭試し読み第1話より・約549字
幼い頃は、彼の試験でカンニングを手伝い、学校をサボれば身代わりになって叱られた。
大人になってからは、彼の身の回りの世話をする専属秘書となり、生活の一切を取り仕切るだけでなく、彼の欲望をぶつけるための道具にさえなった。
ある拉致事件で、私は命懸けで銘也を救った。
すると彼は私の顎を掴み、低い声で言った。
「今日から、お前は俺の犬じゃない。これからは……妹と呼ぶ」
その日を境に、私は初めて銘也から、一人の人間として扱われるようになった。
だが、彼の本命彼女である周防麻沙美(すおう まさみ)が海外から帰ってきた。
空港で、傍若無人のように抱き合い、互いを身体の奥まで溶かしてしまいそうなほど激しく口づける二人を見て、私は悟った。
もう、ここを離れる時が来たのだと。
けれど、本当に私が去ったその日から、銘也は、まるで狂ったように、世界中を探し回ることになった。
「詩織、こっちは周防麻沙美。高校時代からの親友だ」
銘也は車に乗り込むなり、私に麻沙美を紹介した。
口では「親友」と言っているだけなのに、その声音には親しさが滲み出ていた。
私は目を伏せ、「親友」という言葉を何度も胸の中で噛みしめる。
ただ、口の中に苦い味が広がっていくような気がした。
「はじめまして、浅草さん。銘也からあなたの話を聞いてたの。やっと会えたわね」
※作品紹介ではなく、第1話の書き出しをそのまま掲載しています。第1話の続きを読む
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