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フィアンセの叔父と結婚した第2話

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二人はまるで、そこが二人だけの世界であるかのように、人目もはばからず抱きしめあっていた。

北原辰也が新海玲奈の細い腰に手を回し、新海玲奈もまた自然に北原辰也の腕に手を添えた。

私なんかより、どう見ても彼らの方がお似合いのカップルだった。

周りの人たちは面白がって私たちを見ていて、中にはわざわざ私の耳元で囁く、意地の悪い人もいた。

「俺が新海香枝(しんかい かえ)だったら、恥ずかしくて、どこかに隠れたいぞ」

「フィアンセが実の妹とデキてるのに、よく平然としていられるな」

彼らが何を期待しているのか、私には痛いほど分かっていた。

私が前のように、彼の気を引くためだけにみっともなく騒ぎ立てるのを待っているのだ。

北原辰也も、その時、私に視線を向けた。

私が何も反応しないのを見て、彼は満足げに鼻を鳴らした。

彼が何か言いかけたが、私はその隙を与えなかった。

くるりと背を向け、そのまま会場を出た。

運転手に電話をかけ、出発しようとしたその時、一台の黒い車が私の横に停まった。

窓が開き、中から北原辰也が顔を出した。

「乗れ」

断ろうとしたとたん、助手席に座っている新海玲奈の姿が目に入った。

北原辰也も私の視線に気づき、眉をひそめて言った。

「助手席はお前の座る場所じゃない」

私は何も言わず、新海玲奈はまた目に涙を浮かべた。

「お姉様、辰也さんはただ私を心配して......」

「ごめんなさい、お姉様。すぐに降るから」

口ではそう言いながらも、彼女は微動だにしようとしなかった。

北原辰也は、彼女を庇うようにその手を優しく握り、私をちらりと見た。

「玲奈をいじめるな。乗りたくないなら、とっとと失せろ」

私は何も言わず、静かに後部座席のドアへと向かった。

私が何も言い返さないのを見て、新海玲奈はまるで誰もいないかのように、北原辰也の顔に手を伸ばした。

「辰也さん、このハンドクリームの香り、好き?」

細い指先が彼の頬を何度も優しく撫で、北原辰也がゴクリと唾を飲み込む音が、はっきりと聞こえた。

二人の呼吸は次第に荒く、視線が熱く絡み合った。

まさに二人がキスをしようとしたその時、「バンッ」と大きな音が響いた。

彼は驚いて後部座席を見たが、そこには誰もいなかった。

その時、彼はようやく気づいた。先ほどの音は、私が車のドアを閉めた音だったのだと。

北原辰也の心に、苛立ちが込み上げた。

彼は慌てて車を降り、私を呼び止めた。

「どこへ行くつもりだ?」

私は彼をしばらく見つめ、先ほど到着した車を指差した。

「送ってもらう必要はないわ。私の車が来たから」

北原辰也は私の異変に気づいたはずだった。けれど彼は、いつものように、これは私の新しい「わがまま」なのだと、勝手に決めつけていた。

彼は、立ち去ろうとする私の腕を掴み、ポケットから指輪を取り出して、強引に私の手に押し付けた。

「もうこんな駆け引きはやめろ」

「お前は俺の妻だ。たとえ形だけだとしても、お前が恥をかけば、俺の顔に泥を塗ることになるんだ」

私は彼を見つめ、淡々と言った。「じゃあ、あんたの本当の妻は誰なの?玲奈?」

北原辰也は図星を突かれ、怒りと同時に、どこか得意げな表情を浮かべた。

「ふん、黙っていた方が身のためだ」

「玲奈はお前とは違う。優しくて、弱くて、純粋で......お前みたいな、どうでもいい女とは比べ物にならないんだ」

「もしお前が告げ口をして彼女を傷つけるような真似をしたら、結婚式で笑い者になる覚悟をしておけ!」

私はその言葉を聞いて、思わず笑いそうになった。

彼は悪者になりたくない、けれど新海玲奈との関係も断ち切れない。

だから、すべてを私のせいにして、まるで私が極悪非道な罪人であるかのように仕立て上げているのだ。

私は北原辰也を無視し、自分の車に乗り込んだ。

道中、新海玲奈が新しく投稿した写真が目に留まった。

彼女の指にはめられたピンクダイヤモンドが、暗闇の中でひときわ強い輝きを放っていた。

私はそのダイヤモンドに見覚えがあった。先日、オークションで一億元以上で落札された、10カラット近いピンクダイヤモンドだ。

あのダイヤモンドを落札した謎の人物は、北原辰也だったのだ。

さっき北原辰也から渡された、小さなダイヤの指輪を思い出し、取り出してよく見てみた。

案の定、彼が私にくれたのは、あのピンクダイヤモンドを買った時に、宝石店がおまけでくれたものに過ぎなかった。

私が指輪をポケットに戻そうとしたその時、スマホの着信音が鳴り響いた。

画面に表示された名前を見て、私は電話に出た。

「辰也さん、私と籍を入れたら......お姉様はどうなってしまうの......」

「玲奈、俺が愛しているのはお前だけだ。あんな女、俺の妻にふさわしくない」

キスをするようなチュッチュッという音が、耳障りなほどに響いた。

私は嫌悪感を覚え、通話を切った。

新海玲奈からメッセージが届いた。

「お姉様、愛されない方が、不倫相手なのよ」

「何十年も辰也さんの奥さんだったんだから、そろそろ私に譲ってくれてもいいんじゃない?」

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