
この7年、彼は一度も私に一番のものをくれなかった
| 言語 | 日本語 |
|---|---|
| 試し読み | 第1〜3話(当サイト) |
| 掲載日 | |
| 読み方 | 横書き・縦書きを切り替え可 |
『この7年、彼は一度も私に一番のものをくれなかった』は日本語の小説です。当サイトで第1〜3話を試し読みできます。
冒頭試し読み第1話より・約380字
私の名前は皆月渚(みなつき なぎさ)。
桐生要(きりゅう かなめ)の借金を返済し、彼が社長になるまで支えてきたこの7年間、私の生活用品は、ほとんどが中古品かお下がりだった。
スマホは十数年型落ちのもので済ませ、綿が抜けた古いコートは繕って着ていた。
雑巾に至っては、隣人が引っ越す際に捨てた古着から切り出したものだ。
あの時の要は、いつも私を抱きしめ、心配そうな目でこう言った。
「渚、もう少しだけ待ってくれ。
必ず盛大な結婚式を挙げてやるから」
私はそれを信じた。
だが、7年目。結婚式のリハーサル会場で。
要は私に中古ウェディングドレスを投げ渡した。
「これは江里子の家族が十年前の結婚式で着たものだ。
普段倹約に慣れているお前には、高級ドレスは似合わない。この旧式のほうがいい」
反論する間もなく、私が選んだスーツの代わりに、父はみすぼらしいジャケットを無理やり着せられていた。
※作品紹介ではなく、第1話の書き出しをそのまま掲載しています。第1話の続きを読む
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