2年間も付き合った彼氏に純粋無垢な女の子のほうが好きだと言われた第2話
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しばらくしてから、部屋は完全に静まり返った。彼はようやく私に向かって手を差し伸べ、適当に慰めた。
「ただの冗談だよ。気にするな」
私が黙り続けると、彼はちょっと真剣になり、痛くも痒くもない文句を他の連中に言いながら、私を座らせた。
「もう怒らないでよ。今度、あいつらをちゃんと注意しとくから」
室内は再び賑やかさを取り戻した。
時安の肩に寄りかかりながら、私はどうやって別れを切り出そうか考えていた。
突然、ドアが開いた。
白いワンピースを着た谷川雅子が入ってきた。
「時安さん?」
一瞬のうちに、男たちは皆、膝の上に座る女を押しのけ、慌てて身なりを整えた。
時安も例外ではなかった。
彼は私を脇に押しやり、立ち上がると雅子の前に進み出て、彼女の目を手で覆いながら優しい声で言った。
「雅ちゃん、ちょっと待ってね。片付けるから」
それから他の者たちを睨みつけ、警告するような声で言った。
「早くこの連中を片付けろ。雅ちゃんの目を汚すな」
男たちは慌てて立ち上がり、窓を開けたり、女を追いだしたりして大忙だった。
中には白い照明をつけたという思いやりのある人までもいて、部屋の隅々が明るくなったが、私の気持ちが真っ暗のままだった。
なるほど、本当に誰かを気にかける時安は、こんな様子だったか。
ここにいるのが急に嫌になってしまったから、私は立ち上がり、外に出ようとした。
私の動きに気付いた男は、すぐに時安を注意した。
「時安、芽衣さんがまだここにいるよ」
時安は眉をひそめ、自然に口を開いた。
「別に関係ないじゃない。どうせ……」
彼も自分の失言に気付いたらしく、そっと雅子の目を覆っていた手を離した。
言い訳がましく説明を加えた。
「雅ちゃんはまだ子供のように純粋だからで、君とは違って、こんなことを見慣れないんだ」
私は笑ったが、目の中には一抹の悲しみが浮かんでいた。
彼は忘れていた。雅子は私より一つ年上なのに。
だが私は彼の心の中にいない。だから彼は私の気持ちも気にしない。
彼らを避けて出口に向かうと、雅子が突然私を引き止め、上品ぶった声で言った。
「芽衣さん、怒らないで。実は私は物を返しに来たんだ」
そう言いながら、彼女は一つのリングケースを開き、中に収められた大きなダイヤモンドを見せた。
「この前、芽衣さんが指輪をしているのを見て、私も欲しいなって思って、つい口にしたんだ。
まさか……」
雅子は時安を恥ずかしそうに見ながら、上ずった声で言った。
「時安さんがそれを覚えてくれて、私を喜ばせようと、こんな高価なダイヤの指輪をくれたなんて。
そして、一生に一回しか注文できない貴重なものだって聞いたから、芽衣さんに申し訳なくなり、返しに来たの」
しかし、返すといいながら、ケースを握った手は一度も緩めなかった。
自分がつけているシンプルなシルバーの指輪を見下ろし、自分がすごく滑稽に思えた。
2年間、つまり730日間も付き合ってきた。
時安にたった2000円もしないシルバーの指輪であしらわれた。
ベッドの上でも下でも、私は安っぽすぎた。
二歩下がてから、私は初めて時安の面子を潰し、ドアを押し開けて出て行った。
後にした部屋が騒がしくなった。
誰かが嘲笑いながら大声で言った。
「何様のつもりだ、時安にそんな態度をとるなんて」
「黙れ!」
時安はその男を睨みつけ、険しい表情を浮かべた。
バーを出たのは午前三時、通りにはほとんど人がいなかった。
時折冷たい風に吹かれる中、私はかつてのことを思い出した。
二年前、アルバイト先で、私は時安と出会った。
私ほど純粋な女の子を見たことがないと言った彼は、私に別れのない恋をしようと言い出した。
私はその話を笑い飛ばし、何度も断ってきたが、
継父がこっそり私の部屋のドアをこじ開けたあの大みそかまでは。
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