遅れた偽の愛第2話
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翌朝、悠々華はスマホのバイブの音で目を覚ました。
画面を開くと、博史の母親から十数件ものボイスメッセージが届いていた。
反射的に再生ボタンを押してしまい、焦ったような声が部屋に響き渡った。
「悠々華、もうひと月も経ったのに、まだお腹に変化ないの?
あのね、あなたたち、もっと頑張らないと。今年中に子供を作らなきゃダメよ......」
慌てて音声を止めたものの、もう遅かった。
顔を上げると、ちょうど浴室から出てきた博史と目が合った。
どうやらメッセージの内容は聞かれたらしい。
彼はシャツのボタンを留めかけた手を止めて、冷ややかに笑った。
「悠々華、お前、どれだけ飢えてるんだ?朝っぱらから母まで使って俺を誘うつもりか?」
悠々華の顔から血の気が引いた。
「そんなつもりじゃ......」
必死に弁解しようとしたが、男は苛立ったように彼女の顎を乱暴に掴んだ。
親指と中指でしっかりと固定して、人差し指で彼女の柔らかく滑らかな喉をなぞっている。
「じゃあ何?」
博史は鼻で笑った。
「説明してみろ。なんでその格好のままなんだ?」
悠々華はハッとして俯いた。
ようやく気づいた。
昨夜のショックのせいで、まだあの黒いレースのランジェリーを着たままだったことに。
白い肌に黒いレースがいやに映え、博史の位置からは、レースに押し包まれた豊満な胸がはっきりと見えた。
彼の喉が無意識に動いた。
【特にあのおっぱい、博史、よくもまあ我慢できるもんだな】
ふと、昨夜グループチャットで交わされた冗談混じりのやり取りを思い出した。
博史の瞳はさらに暗く濁った。
彼は悠々華を突き放してから、無理やり視線を逸らした。
冷たく言い捨てた。
「残念だったな。お前の望みは叶わない。子供のことなら、もう手は打ってある。着替えろ。今出かけるぞ」
そう吐き捨てると、振り返りもせず部屋を出て行った。
残された悠々華は、呆然と立ち尽くしていた。
手を打った?子供のことを?
三十分後。
黒いマイバッハが静かに止まった。外に見える建物を見た悠々華は、思わず声を失った。
「博史......病院に連れてきて、どういうつもり......?」
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