遅すぎた愛第2話
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ラインのタイムラインには、景虎が彼女をオーロラ観賞に連れて行ったり、記念日を祝うためにプライベートアイランドを貸し切ったりする様子が投稿されていた。
私には一生行けないような場所で、二人は心から楽しそうに笑っている。
首を絞められているかのように、息をするのすら苦しかった。
深夜になって、玄関から物音がした。
ドアを開けるなり、景虎は眉をひそめた。
「なんでこんなに冷えてるんだ?」
マンションは蒼泉市(そうせんし)の中心部にあるが、建物が古く暖房の効きも悪い。
他の住人は寒さに耐えきれず引っ越していったが、私だけは家賃の半年分免除という条件のために残っていた。
ドアが半開きになったまま、私は何も言わず、白い息を吐き出した。
景虎は寝室から布団を持ってくると、有無を言わさず私を包み込んだ。
声には怒りが混じっていた。
「俺がいないと、まともに自分の世話もできないのか?凛、お前がこんなんじゃ、俺も安心できないだろ」
私は彼を強く突き飛ばした。
「今さらここで何の芝居をしてるの?私を騙して面白かった?」
妊娠して少し重くなった体はバランスを崩し、数歩よろけてようやく立ち直った。
かつて私が景虎に腹を立てた時、彼は困ったように笑い、両手を挙げて降参のポーズをとったものだ。
「俺が悪かった。凛を怒らせたんだ、どんな罰でも受けるよ」
しかし今の景虎の顔には、冷たい表情が張り付いている。
「いつまで大げさに騒ぐつもりだ?」
彼は言葉を区切った。
「柚乃はまだ若いから、自分で上手く処理できないことがたくさんあって……」
私の感情は一気に限界を超えた。
「あの子が若いから、彼氏のふりをして面倒を見てるって言うの?
じゃあ私は?貧乏人のふりをしてまで私をからかうなんて、私はどれだけ惨めな存在なの!」
景虎の目に痛みの色が走り、背後から私をきつく抱きしめた。
「凛、落ち着け!」
全身の力を振り絞ったが、振り解くことはできなかった。
「触らないで!」
カチャリという小さな音とともに、半開きのドアが押し開けられた。
突然現れた柚乃が、信じられないといった顔で私たちを見ていた。
「あなたたち……」
「柚乃?どうしてここに?」
何かを察したのか、景虎の顔色が一気に青ざめ、声が凍りついた。
「なんで来たんだ?」
柚乃の顔は涙でぐしゃぐしゃだった。
「あなたが自分で私のスマホにGPSアプリを入れて、いつでも居場所が分かるようにしてくれたんじゃない!
それなのに、今の状況は何?このおばさんと浮気してるのを、私に見て見ぬふりしろって言うの!」
彼女は私を強く突き飛ばした。
「あんなに信じてたのに、よりによって私の彼氏を誘惑するなんて、なんて恥知らずな女なの!」
私が倒れそうになるのを、景虎が素早くかばい、柚乃を鋭く睨みつけた。
「やめろ!」
柚乃はさらに取り乱した。
「景虎の嘘つき!私と結婚するって言ったのに!」
彼女は振り返り、泣きながら走り去った。
景虎がすぐに追いかけようとしたため、私は彼の腕を掴んだ。
「大事な話があるの……」
しかし、無情にも振り払われた。
「離せ!こんな夜遅くに、柚乃が危ない目に遭ったらどうするんだ!」
景虎は振り返りもせずに部屋を出て行き、勢いよく振り払われた私は床に叩きつけられ、お腹をテーブルの角に強くぶつけた。
突如として腹部に激痛が走り、下半身が生温かい液体で濡れていく。
手を伸ばして触れると、そこにはべっとりと血がついていた!
鋭い痛みに意識が遠のく中、私は無意識に景虎に電話をかけた。
「助けて、お腹が、痛い……」
意識が途切れる最後の瞬間、電話の向こうから聞こえてきたのは、景虎の苛立った声だった。
「家にいるんだろ、何が危ないって言うんだ?柚乃をなだめたばかりなんだ、わがままを言うな」
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