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花嫁すり替え、それでも春は来る

言語日本語
試し読み第1〜3話(当サイト)
掲載日
読み方横書き・縦書きを切り替え可

『花嫁すり替え、それでも春は来る』は日本語の小説です。当サイトで第1〜3話を試し読みできます。

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冒頭試し読み第1話より・約536字

結婚式前夜、独身最後の夜のことだった。親友の小林知華(こばやし ともか)が、突然こんなことを言い出した。

「ねえ、コスプレごっこしない?」

ルールはシンプルだった。女子は新郎がいちばん好きな姿を、男子は新婦がいちばん好きな姿をそれぞれ再現する。

天城未知瑠(あまぎ みちる)と榊原和智(さかきばら かずとも)は学生時代から交際を始め、いよいよ結婚という節目を迎えようとしている。これまで何年も一緒に過ごしてきた。

和智をあっと言わせたくて、未知瑠はこっそり高校時代の制服を用意した。

けれど個室に着いたとき、和智はすでにすっかり酔い潰れていた。

ソファにひとりもたれかかり、目の前には空き缶がいくつも置かれている。

未知瑠は弾む足取りで近づき、身をかがめて笑顔で声をかけようとした。その瞬間、薄く目を開けた和智が、不意に未知瑠を引き寄せた。

和智は腕に力を込め、未知瑠の肩を強く抱きしめた。掠れた声で、穂月の名を繰り返し呼んだ。

「穂月……やっと来てくれた。

今夜だけ、そばにいてくれないか。来週式を挙げたら、もう二度と、こうして抱きしめることも、口づけることもできなくなるから!」

未知瑠の顔に浮かんでいた笑みが、そのまま凍りついた。

天城穂月(あまぎ ほづき)。それは、自分の姉の名前だった。

※作品紹介ではなく、第1話の書き出しをそのまま掲載しています。第1話の続きを読む

目次試し読み3話

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