結婚記念日に、夫の秘書のために毒味をしろと?第3話
この話は約1154字。当サイトで読める3話の試し読みのうち、最後の話です。続きの第4話からは公式アプリで読めます。
あの日、電話をしていた時、浩は病院向かいのペット病院にいたのだ。
いつまでも終わらないインスタの投稿を見ながら、私の心も冷めていくようだった。
これまで何度浩を信じて理解しようとしても、返ってくるのは裏切りだけだった。
瞳からラインが届いた。【美希さん、浩と食事中なの。浩が病院へ行ったことを思い出して、薬代を送金しろって言うから】
【浩は、送金しないとまた美希さんがわがままを言うだろうからって。さっさと受け取ってよ】
画面の200円の通知を見て、私は呆れてそれを即座に返金した。
【いらないよ。それ、あなたへの誕生日プレゼントにして】
【あなたにはその程度の価値しかないでしょから】
送信から1分もしないうちに、浩から電話がかかってきた。
出るや否や、怒鳴り声が耳に響いた。「美希、お前正気か?
瞳が親切で薬代を送ったのに、礼も言わずにそんな嫌味を言うのか?
今から瞳に代わるから、ちゃんと謝れ!今日は瞳の誕生日なんだ、台無しにするな!」
浩の一方的な言いがかりに、私は冷めた声で言った。「浩、私に謝る理由なんてあるの?」
「美希、また逆ギレするのか?
いつからこんな奴になったんだ。瞳の家の経済状況を知っていながら、お金で侮辱するなんて。
今すぐ、瞳に謝罪しろ!」
私が黙り込むと、浩はさらに逆上した。「分かった!お前がそこまで謝りたくないなら……
今後、俺の金は一銭も使うな!少額だと見下すくらいなら自分のお金でやりくりしろ!
瞳に謝る気になったら連絡してこい。頭を冷やして反省しろ!」
そう言うと、浩は私の返事も待たずに電話を切った。
10分後、私名義のカードがすべて利用停止になった通知が届いた。
病院のベッドに横たわり、窓の外を眺めながら私は心の中で苦笑いした。
隣のベッドの女の子が、じっと私を見つめていた。「お姉ちゃん、旦那さんと喧嘩しちゃったの?
何をしたの?相手はなんであんなに怒ってたの?」
私は弱々しく笑った。「誰にでも間違いはあるものよ。相手の機嫌次第で、白が黒にもなるの」
女の子は不思議そうに小首を傾げた。「分からないや。
でもママが言ってたよ。自分自身が自由でハッピーでいるのが一番大事なんだって!」
その言葉に、私はハッとさせられた。
そうだ、私自身が自由に幸せでいること、それが一番大切なはずだ。
病室で空を見上げながら、深い寂しさが込み上げてきた。
疲れのせいか、私はいつの間にかまどろんでいた。
看護師の声で目を覚ますと、入院費の支払いが必要だという連絡だった。
いつもの癖でカードを出そうとして、すぐに全て停止されていたことを思い出した。私は諦めて言った。「今日でもう退院します」
「あれ、お姉ちゃんもう退院なの?」
隣の女の子がドタバタと戻ってきた。手には見覚えのあるロボットの人形を持っている。
「そのロボット、どこで買ったの?」
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