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私のお墓にはお花を一輪置いてほしい第2話

この話は約1685字。当サイトでは第1〜3話を試し読みできます。

「おい!どうしたんだ!ちょっと待ってな、すぐ準備して病院へ連れて行ってあげるから!」

馬場さんはひどく驚いていた。

私はパニックになり、ティッシュを取り出して、血で汚れた地面を慌てて拭き取った。

そして、馬場さんがティッシュを取りに行っている隙に、急いで逃げ出した。

病院に行けば、お金も時間も体力もかかってしまう。

前に私が熱を出して病院へ行ったときも、父と母と兄は、誰が私の看病をするかで何度も言い争っていた。

これ以上、みんなに迷惑をかけるわけにはいかない。

白峰斎場の裏山には白峰霊園がある。私は自分のための場所を選び、静かに横たわった。

体はまだ痛かった。

私を殴った奴らの話では、血を吐いたということはかなりの重症で、内臓破裂を破裂している証拠だって。

すぐに治療しなければ、死んでしまう。

でも、私が死ねば、家族の厄介事が一つ減る。

霊園はとても静かで、木々の葉が擦れるカサカサという音だけが聞こえてくる。

私は怖くなり、スマホの残り少ないバッテリーを使って、思わず母に電話をかけた。

しばらくしてようやく電話に出た母は、ため息をついて言った。

「自分から家出しておいて、人のせいにするんじゃないの。大人しく外で頭を冷やして、明日は自分でバスに乗って帰ってきなさい」

私が何か言う間もなく、母はまた電話を切ってしまった。

母は勘違いしている。私は迎えに来てほしかったわけじゃない。ただ、最後に母の声をもう一度聞きたかっただけなのに。

今日は私が死ぬ日であり、そして私の誕生日でもある。

「お誕生日おめでとう、夕凪遥(ゆうなぎ はるか)。お誕生日おめでとう……」

真っ暗な夜空を見つめながら、私は自分へのバースデーソングを歌い、ただ静かに死が訪れるのを待った。

翌日。目を覚ますと、ひと筋の朝日が差し込んでおり、私は自分が死んでいないことに気づいた。

それでも、体はまだひどく痛む。

「あそこにいたぞ!」

馬場さんが警察を連れて、私を見つけてくれたのだ。

私は大人しくベンチに座り、警察が実家に電話をかけてくれるのを待った。

馬場さんは傍らでため息をつきながらぼやいた。

「なんて親だ!自分の子供が一晩中行方不明になってるっていうのに、ちっとも心配してないなんて!全く……」

三時間近く経ってから、ようやく父と母と兄がのろのろとやって来た。

父は周囲に愛想笑いを浮かべながら、言い訳をした。

「下の子が髪を結んでほしいとぐずりましてね。それに学校まで送っていかなきゃならなくて、こんなに遅くなってしまったんですよ。本当にお騒がせしました」

母はまだ、スマホでさっき撮ったばかりの灯の写真を眺めていた。

兄は電話をかけ、学校の知り合いに灯を守るよう念を押していた。

誰も、私には見向きもしない。

私を保護してくれた警察官が不憫に思ったのか、飴を一つくれた。

仕事に戻る馬場さんが、去り際に注意を促した。

「この子、昨夜血を吐いてるんです。絶対に病院へ連れて行ってやってくださいよ」

またしても沈黙が流れた。

母は困ったように言った。

「でも、私はこれから灯にキャラ弁を作ってあげなきゃならないのよ。今日クラスのみんなに見せびらかすって言ってたから!」

兄はどこ吹く風といった様子だ。

「まだ子供なんだから、大した病気になんてなるわけないだろ。わざわざ病院なんか行かなくても、家で休ませておけば治るって」

突然、父のスマホが鳴った。

担任の竹内(たけうち)先生からの電話だった。電話に出た瞬間、父の顔色が一変した。

「灯が学校で転んで、膝を擦りむいたそうだ!」

母と兄は慌てて立ち上がり、車を出そうとした。

私はまるで荷物のように車に放り込まれ、ついでのように家へ送り返された。

でも、私の体にはあちこちに擦り傷がある。

すごく痛い。

私を家へ送り届けた後、兄もそのまま灯の様子を見に学校へ向かおうとした。

私は慌てて兄の服を掴み、何かを言おうとした瞬間、また一口血を吐き出した。

「お兄ちゃん、すごく痛いの……」

だが兄は、私が吐き出した血溜まりをただチラッと見ただけだった。

「痛いなら痛み止めでも飲んでおけ。ちょっと具合が悪いからって甘えるなよ。少しは我慢しろ」

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