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真実の愛は、もう還らない第2話

この話は約1546字。当サイトでは第1〜3話を試し読みできます。

まさか、命がけで私を愛しているはずの颯太が、こんな卑劣な企みを巡らせていたなんて、夢にも思わなかった。

私の水筒に下剤を入れ、取引先の前で恥をかかせ、身に覚えのない20億超の損失を背負わせて返済させる。

そのすべてが、たった1円、桃花の歩合を差し引いたというだけの理由だった!

けれど、私が桃花の歩合を1円差し引いたのは、彼女が毎日遅刻し、営業成績もまるで基準に達していなかったからだ。

今でもはっきり覚えている。その1円の歩合の件で、当時の颯太は烈火のごとく怒っていた。

とはいえ、私の判断は規定に則った正当なもので、あくまで軽い戒めにすぎなかった。颯太は怒りこそしたものの、社内規定がある以上、最終的には引き下がるしかなかった。

私はてっきり、その件はそれで終わったのだと思っていた。まさか颯太がそのことで私を逆恨みし、ここまで容赦なく手を下していたなんて。

すべては、桃花が彼の命の恩人だったから。彼の恩人を傷つけた私を罰しようとしたのだ。

でも、あの時、交通事故で大出血した彼に3000ミリリットルの血を輸血して命を救ったのはこの私だ。

どうして、それが桃花になっているの?

颯太は騙されてる!

私はその瞬間、すべてを悟った。

あの時、颯太に輸血したあと、私は極度の虚弱状態に陥って、そのまま意識を失った。目を覚ましたあとも、私はそのことを颯太に一度も話さなかった。彼に気を遣わせたくなかったからだ。だからこそ、桃花に付け入る隙を与えてしまい、私のしたことを横取りされたのだ。

すべてを理解した私は怒りで全身が煮え立ち、オフィスのドアを蹴り飛ばして中へ駆け込んだ。

「颯太、あの時あなたに輸血して命を救ったのは私よ!この女に騙されてる!」

私は桃花を睨みつけた。口先だけでは証明にならないと分かっていたから、すぐにスマホの中の献血記録を突きつけた。

嘘を暴かれ、桃花の顔には一瞬、狼狽と後ろめたさが浮かんだ。だが次の瞬間にはそれを押し隠し、いかにも傷ついたような顔で言った。

「さっき、私と山本社長の話を聞いていたんでしょう?それで私を恨みしてるのかもしれませんけど、でもこの件は私のせいじゃありません。山本社長がどうしてもあなたを罰して、私のために鬱憤を晴らすんだって聞かなかったんです。私はそのとき、ちゃんと止めたんですよ。

あなたが私を恨む気持ちは分かります。この三年間、あなたがどれだけ苦しんできたかも。でも、あのとき山本社長に献血したのは本当に私なんです!恨んでいるからって、私に濡れ衣を着せるのはやめてください!」

桃花は演技にますます熱が入り、その場で声を上げて泣き出した。その芝居がかった泣きっぷりはまるで名女優のようだった。

「そう?じゃあ、あなたの献血記録を出してみなさいよ!」

私は怒りのあまり、逆に笑ってしまった。

この三年、私が味わってきたものは、ただ苦しいなどという生易しいものではなかった。

「わ……私は、その時、山本社長を助けるのに必死で……献血記録なんて受け取っていません……」

桃花はまたしても動揺を見せた。

「献血記録は全部オンラインで確認できるのよ。スマホを開けばすぐ分かるでしょう」

私は冷たく笑い、じりじりと追い詰めた。

「もういい、怜奈。お前を罰したのは俺の意思だ。桃花は関係ない。恨むなら俺を恨め。桃花に八つ当たりするな」

颯太は私を突き飛ばし、桃花を庇うようにその前に立った。

「でも、あの時あなたに輸血したのは本当に私なのよ!これが献血記録よ。当時あなたの手術を担当した医者だって証言できる。調べればすぐ分かるわ!」

私はスマホに表示した献血記録を、颯太の目の前に突きつけた。

けれど彼は、それを一目たりとも見ようとしなかった。私のスマホをそのまま叩き落とし、顔いっぱいに失望を滲ませながら――

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