火事で夫は姉を救い、私を見捨てた第3話
この話は約1575字。当サイトで読める3話の試し読みのうち、最後の話です。続きの第4話からは公式アプリで読めます。
彼の言い訳を信じようと、私は必死に自分を説得した。
しかし、嘉柔の挑発が、私を完全に打ちのめした。
彼女はホテルの位置情報と一緒にInstagramに投稿したのだ。
その親密な写真に写っている男性は顔を見せていないけれど。
肩のホクロから、それが私の夫、逸州だと確信できた。
「その日はお客さんと飲みすぎて、お姉さんがホテルまで送ってくれただけだよ」
「彼女はあなたのお姉さんなんだぞ。そんなに敵みたいに警戒するのはやめてくれないか?」
「家族なのに、なんでこんなに冷たくて無情なんだ?」
そう言いながら、彼は当然のように嘉柔とますます近づいていった。
そして、私の誕生日の日でさえ。
彼は携帯を一瞥するだけで、私を一人残して去って行った。
私は見て見ぬふりをすべきだったのかもしれない。
だけど、それができなかった。
彼に直接問いただそうとした時、逸州がどんな説明をするのか何度も考えた。
でも、現実は私の想像を遥かに超えた無情さだった。
「心優、お姉さんが病気になったのに、あなたは全然気にしないのか?
あなたの家族だろう?なんであなたはこんなに冷たくて自己中心的なんだ?
俺と彼女は何の過ちもない。あなたは何がどうしたいんだ!」
私たちが言い争いを始めたのを見た嘉柔は、突然私たちの間に割って入ってきた。
「やめて、喧嘩はやめて……」
「ごめんね、逸州。二人とも帰っていいよ。私は一人で大丈夫だから……」
私たちは険悪な雰囲気で、お互い顔を見たくもない状態になった。
その一方で、嘉柔の口元には満足げな微笑が浮かんでいた。
彼女の思惑が成功したのかもしれない。
逸州はしばらくの間、家に戻ってこなかった。
出張や会議に追われ、嘉柔を劇場に送るのにも忙しかった。
二人は親しげに振る舞い、逸州はそれを家族への気遣いだと信じて疑わなかった。
私は次第に不安に襲われ、夜も眠れなくなっていった。
そんな中で、私が妊娠しているとわかった。
この子の存在が私に新しい希望をもたらした。
報告書を手に、逸州にサプライズをしてあげたい。
だが、その時に突然の交通事故が起こった。
血がどんどん溢れてくるのを感じながら、慌てて逸州に電話をかけた。
彼は面倒くさそうに電話に出た。
すると、電話の向こうから嘉柔の声が聞こえてきた。「逸州、誰から?」
「この服、どうかしら?着るの手伝ってくれる?」
その瞬間、私は凍りつき、自分の耳を疑った。
逸州は受話器を覆い、小声で冷たく言い放った。
「今は忙しいんだ、何か用か?」
「逸州、私……交通事故で流産したの……」
「心優、そんな嘘、もう通じないぞ。俺をからかって楽しいのか?」
「いい加減にしろ、これ以上問題を起こさないでくれないか?」
その瞬間、私の心は完全に冷え切った。
そして子供も守ることができなかった。
逸州が病室に駆けつけた時、彼の顔には責めるような表情が浮かんでいた。
「妊娠してると知りながら、なんで無茶をするんだ?」
「お前がこんなことするから、嘉柔はお前を心配して足を捻ってしまったんだ。もう少し周りの心配を減らしてくれないか?」
彼は私の体調を気にかけることもなく、私を一瞥するだけだった。
そして隣の病室で、足を捻った嘉柔の看病を始めた。
愛されるかどうかは、こんなにも明確なんだと悟った。
私は自嘲気味に笑い、涙が自然に溢れてきた。
まだ温かかった心が、氷の底へと沈んでいくのを感じながら。
そして、もがき続けた果てに、私はついに無限の暗闇へと沈んでいった。
笑えるのは。
死に際になっても、私は逸州が私を愛していると信じていたなんて。
死んでからも心残りで、魂はさまよい続けた。
けれど、自分の名誉が嘉柔に踏みにじられるのをただ見つめるしかなかった。
「逸州、心優を探さないで。彼女が法律の罰を受けるのが怖いの」
「だって、彼女は私の妹だもの。たとえ火を放たれても、本当に刑務所に入ってほしくないもの」
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