
昨日の花は燃えるように
| 言語 | 日本語 |
|---|---|
| 試し読み | 第1〜3話(当サイト) |
| 掲載日 | |
| 読み方 | 横書き・縦書きを切り替え可 |
『昨日の花は燃えるように』は日本語の小説です。当サイトで第1〜3話を試し読みできます。
冒頭試し読み第1話より・約459字
神港市の財閥御曹司と結婚して三年目、彼は浮気をした。
妻は騒がず、怒らず、離婚を選んだ。
この生涯において、もはや愛を求めることはない。
しかし、かつての夫である御曹司は、まるで気が狂ったかのように仏前に跪き、妻の平穏な帰還をひたすら祈った。
元日、神港市。
夢藤雲里子(むとう もりこ)は昔の先生へ電話をかけた。「先生、もう決めました。宇宙開発計画の訓練に戻ります」
「本当か?」
受話器の向こうの声は抑えきれない興奮を孕んでいたが、それでも努めて落ち着いた口調を保っていた。「雲里子、先に伝えなければならない。今回の実験は、帰還できない可能性もある。ご主人は特別な身分だが、彼は参加に同意してるのか?」
雲里子は受話器を強く握りしめた。「私はもう、彼と離婚するつもりです」
短い沈黙ののち、応えが返ってきた。「……そうか。君が覚悟を決めたのなら、こちらもすぐに上司へ申請しよう。半月後には神港市へ迎えに行く」
電話が切れる直前、先生の声がかすかに震えた。「雲里子、君の貢献を誰も決して忘れはしない」
雲里子の瞳にも熱いものがこみ上げる。
※作品紹介ではなく、第1話の書き出しをそのまま掲載しています。第1話の続きを読む
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