春になったらまた会おうね第2話
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胸を躍らせながら、パパとママの前にふわりと浮かび、自分が新しく身に着けた得意技を見せたくてたまらなかった。
「パパ、ママ、ほら、見て!私、飛べるようになったんだよ!
もう体も痛くないし。ねえ、遊園地に行ってもいい?」
私は目をパチパチさせて可愛いふりをする。ママは私がこんなふうに甘えるのに一番弱いんだから。
けれどママは私を無視して、園子の手を取るとリビングへと入っていった。
「園子、今日は楽しかった?」
「うん!ママ、またアイスクリーム食べてもいい?」
アイスクリーム?あの丸くてクリームみたいなやつ?
ひどい、ママったら、こっそり園子だけ連れて食べに行ったんだ!
ママはしゃがみ込み、園子の鼻先を軽くつんと触った。
「お姉ちゃんがもう食べられないの、忘れちゃったの?園子、これは内緒ね、いい?」
園子はこくりと頷いた。理由は分からないまま、それでも素直にうなずいたのだ。
園子がいい子にしているのを見て、ママはふと思いついたように言った。
「パパに箱買いしてもらおうか。これからは食べたくなったら、いつでも食べていいよ」
やったー!
私は後ろで両腕を高く掲げた。
「ママ、もう病気治ったよ。私も食べたい!」
けれど、なぜだろう。ママの肩に触れようとしても、指先がすり抜けてしまった。
パパは小さくため息をつき、私の手を通り抜けてママの肩を軽く叩いた。
「千尋に何をそんなに怒っているんだ。あの子はまだ子どもなんだよ」
私の名前が出たとたん、ママの穏やかな顔がまた曇った。
「分かってる、全部分かってるの。
でも、園子も私たちの子よ。千尋のことばかり考えて、あの子をほったらかしにするわけにはいかないじゃない。園子は千尋よりずっと元気で活発だし……私の理想の娘って、まさにこんな感じなの」
ママの言葉の意味を理解した瞬間、私は唇を尖らせた。
どうしてママ、そんなひどいことを言えるの。
この世で娘は私一人で十分だって、そう言ってくれたのに。
妹を身ごもったとき、パパとママは私の両手を握って約束してくれた。妹が生まれても、一番大切なのは私だって。
それなのに、まだどれほどの時も経っていないのに、大人はもう約束を破るんだ。
ママひどい!
私は心の中で誓った。アイスクリームを三つもらわなきゃ、絶対に機嫌を直してあげないって。
小さな指でパパの前に「三」と示してみせたけれど、彼はそのまま私の部屋の前まで歩いていき、扉を軽く叩いた。
「パパ、ここにいるよ!」
目の前で手足をばたつかせて叫んでも、父は何も感じていないかのように、微動だにしなかった。
「千尋、今日は気分どう?
もうお姉ちゃんなんだから、出てきてママをなぐさめてあげない?」
もちろん、いいよ。
私はいたずらっぽくパパの肩の上にちょこんと座り、夢中でうなずいた。
でも、みんな私の声が聞こえないんだよ。どうやってママをなぐさめたらいいの?
誰も答えてくれない。
「まったく、見てよ!この子ったら、甘やかしすぎてどうしようもないわ!
この子を救うために、私たちは死ぬほど努力してきた。そのせいで園子にまで十分に構ってやれなかったというのに、結果はこれよ!恩知らずな子に育っちゃったじゃない!
もういい、このまま部屋で死んでしまえ!これからは園子だけが私の娘よ!」
私はその場に凍りついた。まさか……ママがそんな風に考えていたなんて。
もう、とっくに前から私なんていらなかったんだ……
千尋、悪い子ね!ママを怒らせるなんて。
私は必死に自分の体を叩いた。けれど、どれほど強く打っても、痛みはまるで感じなかった。
パパはママをぐっと抱き寄せた。
ママはパパの腕の中で声をあげて泣き崩れた。
「ごめんね、ごめんね千尋……わざとじゃないの……
もう疲れたの、あなた……本当に、もう限界なの」
目がじんと熱くなった。言いようのない気持ちが、胸の中に広がっていく。
何とも説明のしようがない。
物心ついた頃から、ママとパパが私にたくさんを犠牲にしてきたことは分かっている。
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