旦那が他の女の妊婦健診に付き添った後第2話
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次の瞬間、優成は医者について行き、検査結果を取りに行った。
その隙に真理は、私が身を隠している柱の方へと顔を向け、挑発的に笑った。
「朱音さん、せっかく来たのに、なんで隠れてるの?」
私はゆっくりと歩み出て、黙ったまま彼女を見据えた。
真理は私の沈黙を嘲笑しながら続けた。
「優成があんたを好きじゃないのは分かってるくせに、よくまぁ沢田夫人の座にしがみついてられるね?少しは恥を知ったらどう?
男一人繋ぎ止められない女なんて役立たずじゃん?それなら、私みたいに必要としてる女に譲りなよ。
見ての通り、私は婚約を解消して帰国したの。今お腹には赤ちゃんがいて、頼れる人もいないの」
「真理さん、優成が結婚してるのは分かってて、それでも彼の女になろうとするなんて……あんた、恥って言葉の意味、知らないんじゃない?」
まったく、笑わせる。
「何だって!」
逆に言い返され、真理は息を呑み、深く呼吸を整えた。
「私と優成が知り合った時、あんたなんて影も形もなかったのよ!
もし私が留学してなかったら、あんたなんかに彼を取られるはずなかった!
今は私のお腹に彼の子供がいるんだから、察しなさいよ。さっさと身を引きなさい!」
胸に鋭い痛みが走る。涙が込み上げたが、必死に堪えた。
その時、真理は私の手にある報告書をひったくった。
ちらりと目を通すと、大笑いする。
「なんだ、余命わずかじゃない!末期ガン……あんた、子供を産むまで持つのかしら?
朱音、あんたさ、自分で出ていくのが一番賢いと思うよ。さもないと……」
そう言って私の手を掴み、手首を強く握り締めて脅してきた。
抵抗しようとした瞬間、彼女の顔が一変し、みじめそうに歪むと横へ倒れ込んだ。
「やめて……朱音、怒らないで。私も妊婦なのよ、どうしてそんなことするの……」
呆気にとられ、何が起こったのか理解できないでいると――
地面に倒れる真理を見た優成の顔が、みるみる険しくなる。
そして私を乱暴に突き飛ばした。
「朱音!ふざけるな、なんで真理を押したんだ!」
私は床に叩きつけられ、痛みに顔を歪めた。
彼は事情も聞かず、怒鳴り散らす。
真理はお腹を撫でながら、殊勝な態度を取った。
「優成、私は大丈夫。朱音さんを責めないで。赤ちゃんも問題ないから……私がちょっと我慢すればいいだけ」
だが優成は逆に怒りを募らせた。
「朱音!今すぐ謝れ!」
呼吸もできないほどの怒りで震えながら、私は手にしていたガンの診断書を叩きつけた。
「これを見てから話しなさい!」
しかし彼は一瞥すらせず、ぐしゃぐしゃに破り捨てた。
「そんなわけ分からない紙で話を逸らすな!
朱音!本当にひどすぎる!真理が嫌いでも、こんな酷いことをするなんて!
同じ母親になるんだから、少しは思いやりを持て!」
その姿を見た瞬間、心の中の灯が消えていくのを感じた。
涙が勝手に零れ落ち、慌てて手で拭った。
彼は一瞬だけ表情を和らげ、少し優しい声を出した。
「分かったよ。最近お前に構えなくて悪かった。妊娠してるんだから、俺もお前と争いたくないんだ。だから真理に謝ろう。それで終わりにしよう。
子供が生まれたら、俺がちゃんと埋め合わせするから」
真理の目が、勝ち誇ったように細められた。
私は優成を見つめ、胸の奥に深い絶望を抱いた。
かつて「永遠に愛して守る」と言ったはずの男は、もうどこにもいない。
期待なんて、してはいけなかった。
深呼吸をして、こぼれた涙を拭い、心を落ち着ける。
「やってもいないことを謝るつもりはないわ」
静かに告げ、私はそのまま背を向けて去った。
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