年越しの夜、ネット恋愛相手との初対面は罠でした第2話
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年越しの夜、街は人で溢れ、至るところでカップルたちが抱き合ったり、キスを交わしたりしている。
私は本当ならシオンを空港まで迎えに行くつもりだった。でも、急な残業が入ったせいで予定が狂ってしまい、彼には先にホテルで待ってもらうことにした。
仕事を終え、準備しておいたプレゼントを片手にホテルへと急ぐ。
今日は特別な日だから、朝早くから時間をかけてメイクを整え、ネットでずっと気になっていたドレスをついにおろした。
鏡の前で試着した昨夜の姿を思い出しながら、思わず唇を引き上げる。
ロングコートの下に隠されたのは、ぴったりとしたマーメイドラインのドレス一枚。ドレスは敢えてワンサイズ小さいものを選んだおかげで、体のラインが完璧に浮き出るようになっている。
それに加えて、黒いシースルーストッキングに8センチヒールのピンヒール。このスタイルなら道行く人の視線を釘付けにするのも当然だ。実際、すれ違う人々が何度も振り返るのを感じながら、私は自信満々で目的の部屋――808号室の前にたどり着いた。
ドアをノックすると、ほとんど間を置かずに部屋の中からスリッパを引きずる音が聞こえてきた。
ドアが開き、目の前には高い鼻梁に整った眉――想像していた通りの端正な顔立ちが飛び込んでくる。
シオンは正面から撮った写真を一度も送ってくれたことがなかった。それでも過去に受け取った画像から組み立てた印象と全く同じ顔だった。いや、それ以上だ。本人は写真よりも何倍も魅力的で、私は一瞬で心を奪われた。
「シオン!やっと会えた!」
何も考えず、勢いよく彼の胸に飛び込む。
ネット恋愛中は、キスどころか触れることさえできない。それを補うように、この瞬間をずっと想像してきた私は、出会ってすぐに濃厚なフレンチキスをプレゼントすることに決めていた。
私は大胆なタイプだ。数え切れないほど恋愛を経験してきたけれど、今回の自信は今まで以上だった。キスのテクニックにも自信がある。でも、シオンはその上をいく。
最初は少し驚いた様子だったけれど、すぐに体勢を整え、情熱的に応えてくれた。その瞬間、心臓が高鳴る。シオンの存在は魔法のようで、何をされてもドキドキが止まらない。
やっと、この瞬間が来た――
私はこの再会を何度もシミュレーションして、細部まで計画していた。香り立つ彼のウッディーなフレグランスに包まれながら、頭に浮かぶのはただ一つ。
「このまま押し倒したい。今すぐ、この人を堪能したい」
私たちの関係は体の話題もオープンだったし、寂しい夜にはビデオ通話で慰め合うこともあった。私はいつだって思い立ったらすぐ行動する性格だ。
だから、彼の首に回していた腕をほどき、一歩踏み込もうとしたその時だった。鋭い視線を感じて、思わず目を開く。
そして、目が合った――ベッドの上で腕を組んでくつろぐ、一人の男と。
その男の顔は、シオンと瓜二つだった。
冷静な表情の彼は、こちらを見てから、まるで状況を楽しむかのように口を開く。
「なあ、俺の弟とキスして満足したか?」
その瞬間、体が硬直する。
え、待って――私がキスしてたのは、シオンじゃなかったの!?
じゃあ、ベッドにいる人が……本物のシオン?
赤面する私。熱が頬を駆け上がるのが分かる。
なんてこと!恋人の弟とキスなんて、それも彼の目の前で!もし気づかなかったら……もっと取り返しのつかないことをしていたかもしれない。
呆然として動けなくなった私に、抱きしめていた彼がくすっと笑い、優しく頭を撫でて言った。
「ごめんよ、リノ。彼が冗談でからかってただけさ。顔、真っ赤だぞ。紹介するよ、俺の弟のレイ。独り身の寂しさからか、どうしても一緒に来たいって言ってさ、断りきれなかったんだ」
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