医務室の先生は、嘘みたいに甘すぎる第1話
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私は天川るい、恋愛なんてまだ一度も経験したことがない、どこにでもいる普通の女子大生......のはずだった。なのに、なぜか突然乳汁が出るようになってしまった。
しかもタイミング悪く軍事訓練が重なり、仕方なく医務室の先生に相談したのだけど―結果、彼にすべてを奪われることになった。
* * *
私は天川るい。ただの平凡な大学生のはずだった。
けれど、最近ずっと悩みのタネが尽きない。
恋愛なんてしたこともないのに、ある日突然、謎の現象に襲われたーー乳汁が分泌されるようになったのだ。
しかも量がとんでもない!3時間ごとにこっそり搾らないと、乳腺炎になりかねない。
最悪なことに、軍事訓練で迷彩服を着て走ったり跳んだりしなきゃいけないから、布が擦れて胸が痛くて痒くて......
もう耐えられない!涙が出そうなほど辛い私は、意を決して医務室に向かうことにした。
その日、昼休みの時間にこっそりシャワーを浴びたあと、新校舎の3階にある唯一開いている医務室へ急いだ。
幸いにも新入生たちは教官のスパルタ指導で疲れ果てているから、廊下には誰もいない。
大丈夫、誰にも見られない。そう自分に言い聞かせながら、緊張した気持ちで扉をノックした。
「どうぞ」
簡潔で落ち着いた男性の声が返ってきた。
男の先生だと気づいた瞬間、帰りたくなったけれど、胸の重たい痛みがそれを許さなかった。
深呼吸して気持ちを整え、顔を赤らめながらドアを押し開けた。
なるべく視線を下げたまま、そっと椅子に腰を下ろす。
「どうしましたか?」
清らかで穏やかな声が響いた。意外と若そうな印象だ。
その声に促されて、私はさらに顔が熱くなるのを感じながら答えた。
「えっと、その......先生......」
小さな声で震えながら口を開く。
「お休みが欲しくて......診断書をお願いできませんか?」
「軍事訓練を休みたがる学生は多いですが、本当に具合が悪い場合に限りますよ。どこが調子悪いんですか?」
その冷静な質問に、私はどうしようもなく恥ずかしくなって、蚊の鳴くような声で答えた。
「む......胸が......」
その言葉を口にした瞬間、彼の反応が気になって、私はこっそり視線を上げた。
目の前にいたのは―ただの医者じゃなかった。
彼の端正な顔立ちは、まるで彫刻みたい。高い鼻梁にかかった金縁眼鏡、その奥で冷静に視線を落としながらペンを走らせる姿はまさに「草食系」そのもの。
まさか、こんなにイケメンな人が先生だなんて......
......いやいや、そんなことに気を取られてる場合じゃない!
胸の痛みをどうにかするために来たのだから。
彼の白衣姿はまるで光をまとっているかのようで、白い肌をさらに際立たせていた。胸元には「橘楓真」という名札が揺れている。
「こっちに来て、横になってください」
楓真が立ち上がり、後ろのカーテンを引くと、小さなベッドが現れた。
迷った末に私は仕方なく立ち上がり、指示された通りカーテンの向こうに行き、ベッドに横たわった。
「先......先生、どうやって......その......検査を?」
カーテンを閉めた彼は穏やかに言った。
「下着を外して、服を上まで上げてください」
「えっ?見るんですか......?」
思わず口走ってしまった私は、耳まで赤くなるのを感じた。
生まれてこの方「優等生」として称賛されてきた私。追いかけてくる人は何人もいたけれど、恋愛経験はゼロ。ましてや異性に肌を見せるなんて......
そんな私がこの状況にどう対応すればいいのか、全くわからなかった。
「下着を......外さなくちゃダメですか?」
恥ずかしさに耐えきれず、蚊の鳴くような声で問いかけた。
楓真は少しだけ眉を上げて言う。
「心配しないで。医者の目には性別なんて関係ありませんよ。もし君みたいに全員が気にするなら、男の医者なんて誰もいなくなりますよ」
そう言われたら反論できなくて、思わず「すみません」と謝るしかなかった。
ほとんど密室に近い空間で、私は自分の緊張した呼吸音すら耳に入ってきて、心臓がドキドキして仕方ない。
その感覚がまたやってきた。胸が張り裂けそうなほど充血している感じ。
これ以上待つと、下着が浸透してしまう。もし迷彩服に痕がついたら、それはもう想像を絶する恥ずかしさだ。
意を決して、後ろ手でホックを外し、目を閉じて一気に服を鎖骨のあたりまで上げた。
視界を閉ざした私は楓真の動きを感じることしかできない。
誰にも見せたことのない体が呼吸に合わせて揺れているのが自分でもわかる。
だけど、もっと恥ずかしいのは―このことが彼に知られるという現実だ。
しかも、あんなに整った顔立ちの医者に......考えるだけで体が変に熱くなってしまう。
「綺麗ですね」
楓真が言った。その言葉は、まるで私を観察するかのようで、褒められたのに妙に照れる。
そんなとき、温かい手が私の体に触れた。
「きゃっ......!」
その瞬間、男性の直接的な触覚に体がビクリと震え、思わず声をあげて目を見開いてしまった。
「どうしました?」
驚いたような表情で私を見つめる楓真。
「な......なんでもありません!」
私は必死で体を硬直させ、視線を逸らす。
楓真は軽く頷き、質問を重ねる。
「授乳期ですか?」
「い、いえ違います!」
「性行為の経験は?」
「そ、それもありません!」
「となると、これは未経験者に起きる乳汁分泌ですね?」
「そ、そうです!」
彼は質問をしながら手を動かし、別の場所を確認するように触れる。その感触に、これまで感じたことのない不思議な感覚が全身を走り抜ける。
目を閉じて、先生と視線が合わないようにするだけで精一杯だった。
「動かないでください。しっかり検査をしないといけないので」
「は......はい......」
彼の手は回転するように動き、時計回りに。次は反時計回りに。
時には優しく、時には強く。それが撫でるのか、攻めているのかもわからないくらいだった。
冷たい丸い器具が触れるたびに、私の体は熱く、そして不思議なほど敏感になっていく。
「せ、先生......もっと優しくしてください......」
私は思わず手を噛みながら、顔を横に向けて震える声でお願いするしかなかった。
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