二度目の人生、裏切りヒモ男の援助をやめた第2話
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私がやっと折れたというのに、竜也は嬉しそうな様子も見せず、苛立ったように言った。
「余裕ぶってるつもりか?何回言わせるんだよ。俺と篠はただの友達だ。
それに、どこに行こうが、それは俺の自由だし、お前に許可をもらう必要もないだろ。
俺を買ったからって、交友関係まで制限できると思うなよ。今訴えられたらどうなるか、分かってるのか?」
捨て台詞を吐いて脅してくる竜也を見て、私は思わず笑ってしまった。
今でこそ高級ブランドを身にまとい、最新のスマホを使っているが、10年前の竜也は学費も払えないような貧困の学生だったのだ。
彼の父親は早くに亡くなり、弟は水難事故で亡くし、母親は大病を患っていた。
独りぼっちで、私の前に膝をつき泣きつく竜也は、母親を助けてほしい、そのためなら何でもすると誓った。
私は竜也の境遇を憐れみ、彼の母親の治療費を全額肩代わりした。
ただ善意からしたことだったが、竜也は無鉄砲にも会社へ押しかけ、突然私に告白してきたのだ。
最初は周囲の冷やかしもあって承諾したが、いつしか私は竜也にのめり込んでいた。
竜也に尽くすあまり、生活費も学費も全て負担し、限定ゲームや靴など、新しいものが出るたびに買い与えてウォークインクローゼットを埋め尽くしていった。
私はずっと、互いに愛し合っているのだと信じていた。
しかし竜也の目には、私はただ金で彼を汚す悪人にしか見えていなかったらしい。
どうりで、これほどまでに憎まれていたわけだ。
それならそれでいい。竜也に好きなようにさせる。
「竜也、別れよう。これであなたは自由よ」
竜也は鼻で笑い、「いつもの芝居か」といった表情を見せた。
「なんだ?自殺未遂でだめだったから、次は別れ話ごっこか?
いいぞ、別れを言い出したのはお前だ。後悔しても知らないからな」
捨て台詞を吐くと、竜也はわざとらしくゆっくりと歩き出した。
私から追いかけてくるのを待っているのだ。
これまで喧嘩のたびに、どっちが悪くても、重苦しい沈黙に耐えきれない私が折れていた。
だから今回もすぐに負けを認めるはずだ、と竜也はタカをくくっている。
しかし、前世で竜也が篠と幸せな一生を送るのを、私は幽霊となって見届けたのだ。
私の両親は娘を失った悲しみで、一夜にして老け込んでしまった。
それでも両親は、私の遺言を尊重して遺産を竜也に譲った。
あの時、竜也は涙を流して私の両親を、実の両親のように大事にすると約束していた。
それなのに二人が病に伏せると、面倒だと言って治療を放棄したのだ。
竜也と篠の幸せそうな姿を見せつけられる日々が、私の中の彼に対する情を枯らし、激しい後悔へと変えた。
私の愚かさで両親まで道連れにしてしまったのだから。
今度こそ、二度と同じ過ちは繰り返さない。
私は竜也に背を向け、迷いなく歩き出した。
「分かってるって……」
私が立ち去るのを見て、竜也は一度こちらを振り返った。背中を向けた私を見て、言いかけた言葉を飲み込んだようだ。
そして、竜也は険しい顔をして、怒りながらその場を去った。
私はそのまま帰宅し、家の中にある竜也の荷物をすべて処分した。一息つこうとスマホを開いた時、自分に関する検索ランキングが急上昇しているのを見て、言葉を失った。
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