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さよならの後で、あなたと恋を第2話

この話は約1810字。当サイトでは第1〜3話を試し読みできます。

私はショッピングモールが開くのを待ち、新しいスマホを買った。

帰宅してLINEにログインすると、元学級委員がグループに何枚も集合写真を送っていた。

【瑛斗を見てみろよ。笑いっぱなしじゃないか】

【そりゃそうだろ。行政案件の契約をまとめたばかりで、長年の片思いもようやく実りそうなんだ。仕事も恋愛も順調なら、うれしくないわけがないじゃないか】

【瑛斗、結婚するときは絶対に呼べよ!】

次々と名前を挙げられた瑛斗は、短く返事をした。

【変なこと言わないでくれ】

すぐあとに、依由が頬を赤らめたスタンプを送った。

グループは一気に盛り上がった。

私はそれ以上読まず、ベッドに丸まると、うとうと眠りに落ちた。

眠っている間、いくつもの夢を見た。

高校の入学式の日。

壇上でスピーチをしているのが、幼稚園に上がる前まで隣に住んでいた男の子だと気づいた。

それが、恋の始まりだった。

休み時間のたび、私はこっそり彼の後ろ姿を眺めに行った。

彼に合わせて理系を選び、同じ大学の同じ学科に入ろうと、必死に勉強した。

次に見たのは、大学3年生の頃の夢だった。

クラスで一番きれいな女の子が、私に相談を持ちかけてきた。

瑛斗から熱心にアプローチされていて、どう断ればいいのか分からない、と。

不意に目の前が濃い霧に覆われた。

霧が晴れると、依由が結婚した日の午後になっていた。

瑛斗は私の家の前で待っていた。声には力がなかった。

「梨瑚、祖父の容体が悪化したんだ。最期に、俺が家庭を持つところを見たいって......だからさ、力を貸してくれないか?」

私ははっと目を開けた。

もう午前11時だった。

急いでシャワーを浴び、清潔な服に着替えた。

寝室を出ると、テーブルの上に見慣れない弁当用のバッグが置かれていた。

瑛斗がキッチンから出てきた。自然と口元がほころび、声にも笑みがにじんでいる。

「起きたか。こっちに来て、少し食べなよ。膝の調子は?スマホは買えた?」

写真の中の彼と、まったく同じ顔だった。

依由が離婚したことが、本当にうれしいのだ。

私は、器に盛られた料理に目をやった。

弁当用のバッグの中にも、同じものが入っているのだろう。

彼がいつ帰ってきたのかは知らない。

けれど、依由の昼食を作るために戻ったのだろうとは察しがついた。

ここにあるのは、そのおこぼれのようだった。

胸が詰まり、私は首を横に振った。

「いい。これから取引先の人に会うから」

彼は今思い出したような顔をしたが、笑みは消えなかった。

「契約が決まったら、明日の夜、ついでにそのお祝いもできるな」

――ついでに?

ついさっき、依由がタイムラインに投稿していた。

明日の大学の創立記念行事が終わったあと、特別な集まりがある、と。

3年前、彼女は結婚式のブライズメイドを私に頼んだ。

私が家にこもりがちで友達も少ないから、ついでに何人か男性を紹介してあげると言って。

あのとき、瑛斗はそう遠くない席に座っていた。

けれど、一度も私に目を向けなかった。

今度は彼女が離婚して、また「ついでに」私の契約成立を祝うのだという。

愛しているか、いないか。

その違いは、こんなにもはっきりしているのだ。

結婚してからの瑛斗は、いつもどこか気を張っていて、こんなにくつろいだ様子を見せることはめったになかった。

それが今では、私にまで笑顔で話しかけてくる。

考えてみれば、これも依由のおかげかもしれない。

靴を履き替え、私は何も答えずにカフェへ向かった。

今回の商談には、万全の準備をしてきた。

提案の半分ほどを説明したところで、先方は契約を決めてくれた。

ほっと胸をなで下ろし、バッグから契約書を取り出す。

そのとき、私を呼ぶ声がした。

「梨瑚?偶然だね」

依由が、同級生の女性たちを連れて近づいてきた。

私の手にある契約書を見ると、満面の笑みを浮かべる。

「大手スーパーとの取引?安心して、私から話を通しておいたから、絶対に契約してもらえるよ」

私は呆然とした。

何を言われたのか、すぐには理解できなかった。

これは、何か月も必死に取り組んで、ようやくここまでこぎ着けた案件だ。彼女に何の関係があるというのだろう。

依由は軽く手を振った。

「お礼はいいよ。感謝するなら瑛斗にして。あなたの就職先を世話してほしいって頼まれたから。今回の案件を紹介したのも、彼の頼みだし」

先方は眉をひそめ、不快そうにペンを投げ出した。

「榎並さん、裏から手を回して入社したうえに、私との契約までコネで取りつけるつもりですか?」

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