さようなら、愛の檻第2話
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家に帰った後は、のんびりとシャワーを浴びた。
洗濯かごに入った汚れた服はそのままにして、好きなドラマを見ながらベッドでゴロゴロしていた。
しばらくすると、西村が帰ってきた。
「おい、服が洗ってないじゃないか。明日もこれ着なきゃいけないんだぞ」
私は彼を冷ややかに一瞥し、口に入れていた果物の種を吐き出しながら言った。
「へえ、自分の服だって気づいてたんだ?私の服がそこに1枚でもあるか見てみなよ。自分の服は自分で洗え、いい大人なんだからさ」
西村は何か言い返そうとしたが、その瞬間、突然電話が鳴った。
おそらく、良彦の両親からの電話だろう。
電話を切って戻ってきた時、彼の顔には怒りが浮かんでいた。
「おい、良彦の学費と仕送りを止めたのか?あいつはもうすぐ大学受験だぞ。こんな時に止めるなんて、あいつの将来を潰す気かよ!」
「良彦はあんたの甥であって、私の甥じゃないからね。あの子の将来を心配してるなら、あんたの金で払えばいいんじゃない?」
私の言葉に、西村は何も言い返せなかった。
甥の学費は月に30万円もかかる。仕送りなどを合わせると、月に50ー60万円の出費になる。
「なあ、妻と夫ってのは一心同体だろ?俺の甥はお前の甥でもあるじゃないか」
私は黙ったまま、ふてくされたように布団の中に潜り込んだ。
彼は急に昨日私にサインするよう頼んだ「財産共有の合意書」を取り出してきた。
まさか、この状況でこの紙を出してくるとはね。
「絶対にサインしないわ。もしかしたら明日、あんたがこの金で甥の学費を払うかもしれないからね」
西村のような人間は、強気に出すぎると何をしでかすか分からない。
だからこそ、「怒らせずに痛い目を見せる」のが一番の作戦だ。
彼がどれほど必死に金を手に入れたくても、「大好きな甥のせいで金が手に入らない」のだから、これ以上の仕打ちはないだろう。
西村は私を抱きしめ、低い声で誓った。
「この財産は俺たちのものだ。絶対に良彦みたいなクソガキには使わないよ。俺を信じてくれ、頼むよ」
もう疲れた。
その夜、私は彼の言葉を無視してすぐに眠りに落ちた。
次の日の朝、11時まで寝てやった。
6時ごろ、姑が部屋に入ってきて「朝ごはんを作れ」と叫んでいたが、私は一言罵倒して追い出してやった。
好きなだけ寝られるのは最高の気分だ。
まさか昼食時に、姑がまた我慢できなくなって文句を言い出すとは思わなかった。
「澪、どうして良彦の学費を止めるなんてことができるの!あの子は西村家唯一の孫なのよ!
あんたは子どもも産めなかったんだから、これからは家族の未来が良彦にしかないじゃないの!
言わせてもらえば、今あの子と両親が住んでる家もちょっと手狭よね。ここは澪、あんたが一肌脱いであげて、新しい家を買ってあげるべきじゃないの?」
私は箸をテーブルに叩きつけ、「カンッ!」という鋭い音が響き、姑はビクッと怯んだ。
「良彦に?ふん、もし私の記憶が正しければ、あの子の成績はここ2年間、毎回学校の底辺だった。一体何を期待してるの?ゴミ拾いでもして家計を助けてくれるっての?
そういえば、彼らが住んでる家、私の家だったわね。あの家が手狭だって?それなら、明日には出て行ってもらいましょうか」
良彦の両親が今住んでいるのは、私が結婚前に購入した家だ。結婚してから、姑は「良彦を市内の学校に通わせるために家が必要」と言った。仕方なく一時的に貸すことにしたが、気がつけばもう2年も居座っている。
感謝の言葉ひとつなく、毎日文句ばかり。挙句の果てには、良彦の名義で新しい家を買えと言い出す始末だ。
この家族の図々しさには呆れ果てるばかりだ。考えれば考えるほど腹が立って、私はテーブルクロスを力いっぱい引っ張った。
「ガシャーン!」
お皿やお椀が床に落ちて割れ、家の中は一気にカオス状態になった。
「遅くても明後日までには、あの一家の物をすべて撤去しておいてね。明後日に行ったときに、彼らの物が残ってたら、私がどうするかは想像に任せるわ」
西村が私の腕をつかんできた。
「篠原、今日は何を騒いでるんだ!家族みんなで仲良く食事をしていたのに、何でこんなに家をめちゃくちゃにするんだ!」
「パシーン!」
私はためらいなく、彼の頬にビンタをお見舞いした。
このクズ男を殴れる日が来るなんて、前から一度やりたかったことがようやく叶った。
「ただ事実を言っただけで、家の中が不和になるの?
さっさとあの家に連絡して、すぐに荷物をまとめさせなさい。でなければ、恥をかくのはあなたたちの方よ」
私が西村を叩いたのを見て、姑は悲鳴をあげ、息子をかばうかのように泣き叫んだ。
「うちの息子がこんな女と結婚するなんて、なんて不幸なことか!もしお父さんが天国から見ていたら、きっと怒りのあまり気が狂うに違いないわ!」
そして、私に殴りかかろうと手を伸ばしてきたが、私はすかさず身をかわした。
「ドサッ!」
姑はテーブルに腹ばいに倒れ、服にご飯粒やおかずの破片がべっとりとついていた。
「この、避けるなんて!なんて不孝な嫁なんだ!」
彼女はそう叫びながら、再び泣き始めたが、私はもう彼女の泣き声を聞く気にもなれず、無言で部屋を出た。
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