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あなたを離れて、よかった第2話

この話は約1973字。当サイトでは第1〜3話を試し読みできます。

修司は暖子の告白を受け入れなかったが、彼女と同棲していた。

彼はそこを「家」と呼んでいたが、暖子にとってはただの「檻」に過ぎなかった。

心も体も限界に達していた暖子は、彼に電話をかけた。

彼女は躊躇しながら言った。

「高熱のまま湖に入ってネックレスを拾ったの。今、本当に体調が悪いの。このままだと、死んじゃうかもしれない。」

修司はまるで他人事のように言った。

「どうせお前、7回も死んだんだろ?一回増えたところで何が違う?また別の体で俺に絡んでくるだけだろうが」

「でも修司、本当に、今は苦しいの。私は……」

「自業自得だ、白鳥!お前が攻略のために俺に近づいて、俺の気持ちを弄んだ時点で、こうなるとは覚悟しておくべきだった!

言い訳してサボろうとすんな。今から迎えに行く」

修司はいつも独断的だった。交渉の余地などはない。

言い終えると、容赦なく通話を切った。

スマホを握りしめたまま、暖子の胸は締めつけられるように苦しかった。

「システム、9回目の攻略、前倒しで開始できない?」

もう修司に、何も期待なんてしていなかった。

これ以上、プライドを捨ててまで尽くすのは、もう嫌だ。

辛すぎる。

「ごめんなさいね、宿主。まだその段階じゃありませんよ。あと十日、頑張ってください」

以前の暖子は、時間が過ぎるのが早すぎると感じていた。

もう少しだけ時間があれば……もう少し彼といられたら……

そうすれば、もっと好感度を上げられるし、すぐに死を迎える必要もなくなると思っていた。

でも今は、たった10日が、これまでの人生全部より長く感じた。

一時間以上が経ち、修司が病室に現れた。

実は彼は、ずっと病室の外にいたのだ。

暖子が意識を失って運ばれてきてから、ずっと傍にいた。

彼女が目を覚ましそうになると気付いたら、彼はその場を後にした。

気にかけてると思われるのが嫌だったから。

所詮、自分は攻略対象に過ぎない。だったら、なぜ本気になる必要がある?

修司は皮肉げな目を向けた。

「目が腫れてるな。泣いたか?安美のネックレスを拾わせたこと、そんなに嫌だったのか?でも、それがお前みたいに男を誘惑してばかりの女の報いだ」

暖子はもう、彼にどう思われようと気にしていなかった。

ただ、好感度を下げたくなくて、抗弁した。

「他の人を誘惑したことなんて、一度もない……」

だが修司は、天王寺硯史(てんのうじ けんし)と笑いながら話していた彼女の姿を思い出して、怒りをこらえきれなかった。

「派手な格好して、天王寺のやつと楽しそうに喋ってただろ。あれが誘惑じゃなきゃなんなんだ?

お前に惑わされたから、あの冷血な男が命懸けで湖に飛び込んだんだろうが!」

助けてくれたのは、硯史だったの?

暖子は一瞬、言葉を失った。

「天王寺社長と、そんなに親しくない。ただ、パーティーで少し話しただけで……」

「黙れ。お前が誰とどうしようが、俺には関係ない。で、なんで起きてるくせに、さっさと帰って安美の飯を作らないんだ?彼女がどれだけ腹空かせて待ってるか、わかってんのか?」

修司は彼女の視線に苛立ちを覚え、無理やり話題を変えた。嫉妬してると思われたくなかったから。

この女にはそんな資格はない。

暖子は、口にしかけた言葉を飲み込み、うつむいて呟いた。

「ごめんなさい」

謝っていれば、少しでも屈辱や痛みが和らぐ気がした。

「謝って済むか?今すぐ帰るぞ」

「……うん」

でも、暖子は体が震えてうまく立ち上がれなかった。

修司は無意識に彼女を支えた。

それでも口調は冷たかった。

「演技か?勝手にしろ」

そのとき、ちょうど巡回に来た看護師が二人の様子に気づき、怒りを込めて叫んだ。

「彼女、肺炎で高熱が続いてるんですよ!?無理に動かしたら命に関わるってわかってます!?今は立つことすらできないんです!」

修司は看護師に叱られ、顔を赤らめた。

目を伏せて、ぽつりと呟く。

「そんなにひどい状態だったのかよ。てっきり、また大げさにしてるんだと思ってた……」

暖子は虚ろな目のまま、ただ一言を言った。

「ごめんなさい、私が悪いの」

彼らの間で、いつも悪いのは彼女だった。

修司はそんな彼女を見て、さらに苛立った。

眉をひそめながら、料理を作らせるのをやめた彼は、デリバリーを注文し、自分で彼女に食べさせようとした。

だが、最初の一口を口に運ぶ前に、安美から電話がかかってきた。

「料理してて火傷した?そんなの俺がやるから!じっとしてて、今すぐ行く!」

焦った修司は、熱々の粥を暖子の体にこぼしてしまった。

暖子は熱さに顔をしかめたが、彼は振り返ることもなく、病室を飛び出していった。

ちょうどそのとき、外で待っていた親友の木村北雄(きむら きたお)がすべてを見ていた。

「修司、俺はほんとにわかんねぇよ。あれだけ白鳥さんのこと気にしていて、安美を妹としか思ってないくせに。なんでそんなふうに、白鳥さんを傷つけるんだ?」

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